FAQ 賃貸管理トラブル集

20年以上前の事故に関しての説明義務

賃貸建物で、20年前に浴室で居住者が死亡した事実がある。現在当該建物を募集に当たっても、その事実を説明すべき義務はあるか。

消極的義務で対応で

心理的瑕疵の問題ではあるが、一般にそれが自然死であれば積極的義務はないであろうし、自殺であったとしても20年前の事であり、時間の経過とともに瑕疵は消失していく性質があることに鑑みれば、この場合も積極的説明義務はないものと考えられる。借り希望者から特段の確認があった場合に説明するといった、消極的義務としてとらえておけばよいのではないでしょうか。

所有者変更による賃貸借契約の締結における35条説明義務と媒介報酬

Aは甲建物に長年居住しているが、Aは今まで甲建物の所有者Bとは使用貸借で賃料支払はありませんでした。しかし、今般、甲建物の所有者がBからCへと代わった。それに伴い、AはCと甲建物についての賃貸借契約を締結する事にした。①媒介業者はAに対しての重要事項説明をする必要があるか。②媒介報酬を受領してもよいか。

媒介業務であるので

①について、AとCとの賃貸借契約の媒介するのであるから、媒介業者はAに対して重要事項説明をする必要があります。②についても媒介をするわけですから媒介報酬を受領してもよいといえます。ただし、媒介業務には通常は借主の募集・案内等の業務があるところ、本件ではもともと使用借権者であったAと甲建物の新所有者であるCとの間の賃貸借契約の媒介であり、媒介業者は上記の業務しなかった分報酬金額を割引くことも検討する余地がある。(書類製作費等の名目)

保険会社・保証会社が倒産した場合の媒介業者の責任

保険会社や保証会社が倒産した場合、それらを付けることを前提に賃貸借契約書を作成した媒介業者に責任は生じるか。

善意か悪意か

当該会社が倒産するなどを知っていた場合には生じる事が想定されるが、通常の調査のもとで倒産の危険等を知らなければ、媒介業者において、善管注意義務に反するとして責任が生じることはないものと考える。

トラブルを起こす人がいる場合

集合住宅の借主の中に問題を起こす人がいる。このことを同集合住宅の他の部屋の借主予定者に対し、重要事項として説明する義務はあるのか。
(売買事例ではあるが)建物売買において、隣人に子供嫌いがいる場合における隣人からの苦情についての売主及び仲介業者の買主に対する説明義務を認めた裁判例があります。この判例を前提にすると、本件についても重要な事項として説明する義務はあるとの方向にいくのではないか。

利用制限の緩和の要請への業者の対応

事業用ビルの仲介で、契約が成立し入居した借主から、物件につき利用制限があり、当初目的を達し得ないので、貸主に対し、利用制限をなくすよう対応するように要請された。どのように対応すべきか。

調査義務と説明義務

仲介業者としての調査義務及び説明義務が問題になり、当該利用制限につき、専門家としての注意義務に反する事になれば、責任を負うことになる。ただし、それは具体的には金銭賠償の問題であり、履行請求(契約の目的に従った利用を実現させるように請求する事)はできない。借主に事情を説明し、もし調査義務に反することがあれば、相応の責任を負担する事も考慮する必要がある。

仲介業者としての調査結果による仲介責任

隣接物件の所有者(居住者)が玄関先に防犯カメラを設置しており、借り希望者からは、暴力団関係者ではないかと懸念が示されたので、管理会社等を通じて調査したところ、そうではないらしいと調査でた。借り希望者にそのことを伝えて仲介をけいぞくして問題ないのであろうか。

仲介業者としての可能な限りの調査が必要

暴力団関係者であるか否かにつき可能な限り調査をし、その結果を説明しさえすれば、仲介業者としての調査説明義務は尽くされており、あとは借り希望者の判断で契約するか否か決定する。借り希望者が、これらの事情を踏まえて契約するのであれば、念のためそのことも重要事項等で明記しておき、仲介を進めることは問題ないものと考えます。

貸地についての媒介手数料は

宅建業法の報酬規定により

土地賃貸借の媒介に付いても宅建業法の報酬規定が適用され、賃料(地代)の1ヶ月相当分が基本となる。なお、いわゆる権利金(権利金その他の名目を問わず、権利設定の対価として支払われる金銭で返還されないもの)の授受があった場合の報酬額については、賃借料の1ヶ月分にかえて、権利金を売買の場合の代金額とみなして算出した額を上限として報酬を受けることもできる。報酬規定参照のこと。

定期借家契約の再契約における業務の省略化は...

定期借家契約の再契約をする場合、改めて、事前説明、重要事項説明及び契約の締結をする必要はあるところ、この手続きを省略に近い形で簡略化することは認められるか。

現行の法制度では認めてないが

現行の法制度を前提とすると、当該手続きを省略に近い形で簡略化することは認めてない。ただし、重要事項説明の趣旨等からすれば、すでに内容を十分に把握している借主に、新規の場合と同等の対応をしなければならないとするのも形式論にすぎると考える。借主側の意向を十分に踏まえて、一定程度の簡略化することは、実質的に違法とはいえないのではないか。

賃貸部分と建物全体の登記に差異が生じた場合の説明義務は...

登記は2階建てとなっている建物の2階部分を賃貸。ただし、その後増改築されて4階建てとなっている。この場合、登記の状況を説明するだけで媒介としての説明義務を果たしているといえるのか。

趣旨としては

登記事項を説明するのは、所有者の特定(賃貸権限の有無の確認)と第三者が取得した場合の権利関係の明確化がその趣旨である。したがって、登記がある部分につき賃借する場合には、登記の状況を説明すれば足りると考える。ただし、登記と現況が異なること、したがって、3階以上の利用による一定の制約や有無や、場合によっては違法建築とされて行政庁から対応が求められていることがあることも、あわせて説明しておくべきである。