Column
コラム
それぞれの税金・・・冠婚葬祭編
会社役員は社内の事だけでなく、社外行事での冠婚葬祭は多くの支出があります。そんな行事に関与する場合はどのような税金と向かい合わないといけないか、ここではいくつかの具体例をあげて紹介いたします。
A社の役員の還暦祝いの時に社内で祝賀会を行い、会社がその費用を一部負担した場合ですが、そういった祝い事は個人的なものであり、福利厚生と考えても役員だけへの給与や賞与として見られ、損金扱いにはなりません。次に取引先や会社役員も参列したA社の社長の結婚披露宴の場合ですが、これも私的な行事であって個人が負担すべき費用となります。
たとえ、会社の取引先を等を招待してもそれは社長としての社会的立場によるものであって、それが会社の経営や業務を実施する上で必要な行事とはいえないので、交際費としての計上はできません。
冠と婚の一事例をご紹介させて頂きましたが、次は葬と祭について具体例をあげて紹介します。
B社の創業者である社長が亡くなり、その功績をたたえて社葬としました。その社葬に係る費用と退職弔慰金の取扱ですが、社葬の原則的な取扱いは個人的な儀式なので遺族が負担するものであり、社葬にした場合は会社から遺族に対する贈与として取り扱われ、遺族が会社関係者なら給与もしくは賞与となります。しかし社葬が社会通念上相当と認められる場合があり、その場合は社葬のために通常要すると認められる部分の金額は支出した日の属する事業年度において損金の額に算入する事ができます。それでは社葬のために通常要すると認められる金額とは。これは明らかに遺族が負担すべき費用は認められないということです。たとえば、密葬の費用、墓石、墓地、仏壇、位牌等の買い入れ、院号をうけるための費用、香典返しの費用、法事に要する費用等以外、いわゆる会葬費ということです。次に退職弔慰費の取り扱いですが、
これは退職金と退職弔慰費と区別して考えます。死亡退職金は相続税法上相続人が取得された物として非課税所得であり、退職所得による所得税の源泉徴収義務はありません。受け取った遺族はみなし相続財産として相続税の課税財産に加える必要がありますが、一定額まで非課税です。弔慰金は①業務上の死亡である時・・通常給与の三年分相当額②業務上の死亡でない時・・通常給与の半年分相当額であるときは税法上の死亡退職金とは別に支払い時に損金となります。