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特定支出控除の適用基準を緩和
特定支出控除とは
特定支出の額が給与所得控除を超える場合、その超える部分について確定申告を通じ、給与所得の金額の計算上控除する事ができる制度。
特定支出は・・・現在(見直し前)
①通勤の為に通常必要な運賃等の額
②転任に伴う転居に通常必要な引っ越し代等
③職務に直接必要な技術や知識を取得することを目的とした研修費
④職務に直接必要な資格取得費(弁護士・税理士などの業務独占資格の取得費は除く)
⑤単身赴任をしている人の帰宅の為の往復旅費(月4回が限度)
①は通勤手当のような形で会社から補填され、所得税が課せられていないものは含まない。特定支出と認められるには給与の支払者の証明が必要となる。
見直しでは④で除外されていた弁護士・税理士などの資格取得費を認めるほか、勤務必要経費として、職務に関連する書籍、定期刊行物、その他の図書や制服、事務服、その他職場で着用する事が必要な衣服で政令で定めるものを購入する支出、交際費、接待費その他の費用で給与支払者の得意先等の関係者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為の為の支出を特定支出に追加する。上記の勤務必要経費の控除総額は65万円が上限。
また、給与所得控除額を超える部分となっている給与所得控除額に加算することができる特定支出総額を、1500万円以下の場合は、給与所得控除額の2分の1に相当する額、1500万円を超える場合は125万円を超える部分に改める。
給与職控除額は
給与収入が300万円で108万円
給与収入が500万円で154万円
給与収入が700万円で190万円
給与収入が1000万円で220万円
上記のような現在は特定支出がこの規定であるが、改正が実現すれば、500万円の給与収入のひとであれば77万円を超える部分から控除できる事になる。
なお、職務に関するもので、新聞代やスーツの購入費、お歳暮等が勤務必要経費として認められるかは明らかでないが、これが認められると個人的にはかなり嬉しい。
見直しは税制改正法案が成立すれば、25年分以後の所得税、26年度分以後の住民税から適用。
増税増税の中、この法案はビジネスマンにも嬉しい改正のひとつである。