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コラム
賃貸不動産と税金 (賃貸不動産を売却した場合)
前回は賃貸不動産を『取得』『保有』『譲渡』のうちの保有に関して御紹介させて頂きました。
不動産という大きな財産を取得、そして保有すると、譲渡という事はあまり考えたくないものですね。
しかし譲渡といっても相続というケースもありますね。相続税は現金だけに課税されるものではなく、
土地・建物・有価証券などの財産以外に、みなし相続財産(被相続人の死亡に起因して財産を取得したのと
同様の経済効果が得られる財産)の死亡生命保険・死亡退職金などがあります。
それとは別に、相続開始前3年以内に被相続人から贈与により取得した財産、相続時精算課税制度を適用して
被相続人から贈与により取得した財産がある場合にはその相続財産も加算します。
相続と贈与の話になると一度に紹介は難しいので、相続時の話は次の機会にして、
今回は譲渡(相続)際に課かる税金についてご紹介致します。
不動産の売却時にも利益が出れば所得税が課税されます。
その際の計算は、所得金額の総所得を求めて、それを計算して確定申告により税金を納める総合課税ではなく、
他の所得と合計せずに、分離して税額を計算する申告分離課税制度がとられています。
次に、所得期間にによっても税率が異なります。
判定基準は、譲渡年の1月1日の時点で、
長期譲渡所得:5年を超える土地建物等 税率:20% (所得税15% 住民税5%)
短期譲渡所得:5年以下の土地建物等 税率:39% (所得税30% 住民税9%)
に区分されます。
それでは譲渡所得の計算式を説明します。
譲渡所得は譲渡収入金額(土地・建物の譲渡代金)から取得費と譲渡費用を引いた金額です。
取得費とは、取得の為に要した費用の金額から建物の減価償却費の累計額を差し引いた金額です。
土地の場合は取得価格か収入金額の5%のうちのどちらか多い方を取得費とします。
譲渡費用とは、譲渡の際に出費したもので、以下のようなものがあります。
※仲介手数料 ※売買契約書の印紙代・登記の手数料 ※測量費用・分筆費用 ※建物取壊し費用(売却の為の)
※立ち退き料(売却の為の)※補修費(売却の為の) ※買主との交渉の為の交通費など
譲税譲渡所得は上記の所得金額から特別控除を引いたものです。
特別控除とは、常にあるわけではなく、以下の3つのものがあります。
※収用等の特別控除 5000万円
※特定土地区画整理事業の特別控除 2000万円
※特定宅地造成事業等の特別控除 1500万円
そして税額の計算式が
課税譲渡所得金額に税率をかけたものが税額となります。
ここで注意が必要なのは、損失については原則として、譲渡による所得以外の所得との損益通算及び翌年以降への
繰り越しは認められていないという事です。