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コラム
貸主様が行うべき賃貸不動産管理業務は part③
今回は、実際に管理会社と管理委託契約をする時に注意すべき事と委託の主な内容についてご紹介致します。
賃貸管理における受託業務の主な内容は、賃貸借契約締結後の入居者との関係や会計処理についての管理、建物設備の維持管理などの「事実行為」です。
委任者が、「法律行為」をすることを受任者に委託し、受任者がこれを承諾する事によって成立する契約を「委任」といい、委託の内容が、法律行為でない事務の委託である場合を「準委任」といいます。
上記の委任で気をつけなければならないのが、建物の修繕のための工事請負契約などを、貸主から代理権を授与され、管理業者名義で発注するような場合は法律行為の「委任」となるので、後々のトラブルにならないように注意して下さい。
そして受任者となった業者には以下のような義務が発生します。
※善良なる管理者の注意義務
この義務は受任者の義務の根幹をなす義務であり、受任者と委任者との関係における基本的な義務です。
※報告義務
受任者は委任者の請求があればいつでも委任事務の処理の状況を報告しなければならず、委任の顛末を報告しなければならない。
※受取物の引き渡しの義務
受任者は、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならない。
※委任の解除
各当事者間はいつでも契約を解除できるが、相手方に不利な時期に解除したときは、やむえない事業がない限り、その賠償をしなければならない。
※委任の終了
委任者または受任者が、死亡または破産手続き開始の決定を受けたときなどは、終了する。
※委任終了後の処分
急迫の事情があるときは、受任者、その相続人または法定代理人は、委任者、その相続人もしくは法定代理人が委任事務を処理することができるようになるまでは、必要な処分をしなければならない。
※委任終了の対抗要件
委任終了の事由は、相手方に通知し、または相手方がこれを知ったときでなければ、相手方に対抗することができない。
※報酬請求権と費用の前払い・償還請求権
管理委託契約の主な内容
※賃貸借代理業務
①賃貸借条件の提案②物件の紹介③入居希望者の審査④重要事項の説明⑤賃貸借契約の締結⑥鍵の引き渡し等です。
※管理業務
①賃料等の徴収業務②運営、調整業務③契約更新業務④解約業務⑤賃貸借条件の変更の助言等⑥清掃業務⑦設備管理業務
※代理権が授与される業務
①敷金その他一時金ならびに賃料、共益費および付属施設使用料の徴収
②未収金の督促③賃貸借契約に基づいて行われる借主から貸主への通知受領
④賃貸借契約の締結⑤賃貸借契約の更新⑥修繕の費用負担についての借主との協議
⑦賃貸借契約終了に伴う原状回復についての借主との協議
※基本的事項
①契約期間と更新の条件②月額の賃料、共益費、更新料などの金額と取り扱いに関する事項
③礼金、敷金、更新料などの金額と取り扱いに関する事項④修繕費などの費用負担、施工業者の選定
に関する事項⑤借主の退去時の原状回復に関する事項⑥管理報酬、媒介報酬、更新契約報酬などの金額と取り扱いに関する業務⑦管理委託契約の解約に関する事項⑧免責に関する事項⑨事業主体と登記簿上の権利関係⑩借主の生活環境の維持向上、苦情処理やメンテナンスに関する事項⑪借主募集の為の方針、借主選定の条件と決定者、賃貸媒介業者との媒介契約締結名義人など、借主決定の為の事項 など。
管理業者との委託契約は、実際にどのような事をしてもらいたいのか、
ご所有の不動産の現状をよく理解し、そしてどのようにしていきたいのかを、業者と何度も打合せをして進むべき道を選定すべきです。