Column
コラム
賃貸人の告知義務…自殺・建物の瑕疵・近隣問題
今回のテーマにある告知義務は、入居前に知っておけば回避できることです。
末長くここちよい生活を入居者にしてもらうためのオーナー様の義務ですし、後に大きなトラブルと損害賠償にも
発展しますので、仲介業者や管理会社に任せっぱなしにしないようにしましょう。
それでは3つの例をもとに紹介致します。
自殺
借りている1戸建てで首つり自殺があったということを知りました。
しかもその場所が家族団欒の場であるリビングで、子供にもこの事実が分かったので転居をしたいと考えている。
この事実に関して賃貸人から告知を受けてなかった。
結論は瑕疵担保責任として契約を解除できます。また、その事実を秘して賃貸借契約を締結した賃貸人に対しては
告知義務違反を理由として契約を解除し、新たに転居する費用などの損害賠償も請求できる可能性があります。
建物の瑕疵
一戸建てを借りていましたが、豪雨の際に床上50センチメートルくらいまで浸水し、衣類や家電品など多額の家財道具
が毀損して使用不可能になってしまいました。この住宅は低地に建っているうえ、地盤の水はけが悪く、過去にも大雨の際には何度も浸水していたという事実があった。
結論は告知義務違反により損害賠償の請求をすることが可能です。
賃貸人、仲介業者は物件の性状・瑕疵などについて告知すべき義務を負ってますので、浸水していた事実を知っていたか、または仲介業者が容易に知り得たにもかかわらずそれを告げなかったとみなされます。
近隣問題
近隣でのピアノや楽器の演奏の音やペットの鳴き声によって、前の入居者も悩まされ、
それが原因で引越しをしていた事を知っていたにもかかわらず、その事実を聞かされてなかった。
結論は不実告知または不利益事実の不告知として契約を取り消すことが出来る可能性があります。
そしてそのような事実が、契約締結の前提として重要な要素となっているような場合には、債務不履行または
取引的不法行為に基づく損害賠償を請求できる可能性があります。