Column
コラム
保存に必要な行為として建物維持につとめよう!
築年数が比較的浅い不動産の場合は関係ないだろう!とタカをくくっていてはいけません。
建物は常に劣化しているのです。たとえば、屋上の防水などは一番劣化しやすい箇所ともいえます。
そしてそのような場所からの雨漏りで、入居者の家財道具や衣類が濡れてしまった場合や、店舗などの営業に
支障が出た場合には損害賠償請求される可能性もあります。
このように修繕を怠ると、さまざまな不利益が生じます。
かといって、入居者がいない場合や、入居者が室内での工事を拒否した場合なら修理費や家賃の減額請求や
損害賠償を受けることがないから修理を先延ばしにしていいなんて安易な考えは絶対に避けましょうね。
その間にも建物はどんどん傷みます。 それでは、上記に上げたように入居者が拒否した場合に
入居者の意志に反して工事はできるのか?と質問がでるでしょう。
実は民法に「賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人はこれを拒むことができない」
と定められています。この保存行為に必要な行為を入居者は認めなければなりません。
これを認容義務といいます。
ここで勘違いしてはいけないのが、いつでも工事できるのはあくまで「保存に必要な行為」の時だけです。
例えば「老朽化した配管の取り換え」「シロアリの駆除」「雨漏りの修理」などです。
ですから、入居者の部屋のふすまが破れていて景観上支障があるなどといったものは「保存に必要な行為」となりません。
そして、立ち入りの際に注意しなければならないのが、入居者に対して、事前に作業の必要性、作業内容、作業時間などをきちんと説明し、納得してもらうことが後々のトラブル回避となります。
しかし、ガス漏れや漏水などの緊急の必要性がある場合は、承諾なしに入ることも「保存に必要な行為」となります。
緊急の必要性がある場合以外に入居者の承諾なしに部屋に入ると損害賠償請求の対象になりますからご注意ください。