Column
コラム
法人成り
節税対策として個人から法人になりたいという税理士への相談が増えているようです。たしかに個人商店で支払っていた消費税が最長2年間は納税義務が免除となるメリットはあります。(資本金1000万円未満での設立で設立事業年度と翌事業年度は)しかし、法人なりをしたからといって極端に税金が安くなるわけではありません。例えは、今まで個人の所得だったものが法人の所得に切り替わり、法人から受け取る役員報酬が所得税の課税対象となり、残った法人の利益に対しては法人税が課税されます。法人税を減らすために役員報酬をあげたりすると源泉税の負担が大きくなり、過大役員報酬と認定されるようなことにもなりかねませんが、法人成りにもメリットは多くあります。
①所得税の税率は超過累進税率となっていますが、法人税の税率は基本的には一定です。
②役員報酬については、概算経費としての給与所得控除がありますので、法人から収受する役員報酬にまるまる所得税がかかるわけではありません。
③個人の事業所得には事業主控除額の290万円を控除した金額に5%の事業税が課税されますが、法人成りをすると役員報酬の部分だけは法人所得から除外され、事業税が課税されません。
④上記に述べましたが、資本金1000万円未満で設立した場合には最長2年間は消費税の納税義務が免除されます。