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判例!賃貸用マンションの取得費用と消費税仕入れ税額控除
こんな判例がありますので、賃貸用マンションの取得を検討されている方は参考にしてください。
消費税の計算上、賃貸用マンションの取得費用に係る消費税額を課税仕入れに係る消費税額として控除すると思いますが、消費税法基本通達では目的物を全部完成して相手方に引き渡した日とすると定めています。
これを踏まえて次の事例を考えてください。
請求人は賃貸マンションを建築し、事業を開始した日の属する課税期間内に、
課税仕入れに係る消費税額を控除したが、更正処分をうけた。
ここで大事なのが、いつ引き渡しを受けたか!?ですが。
この事案を具体的に説明しますと、請求人は3月20日までが設立事業年度である。
そして、建築会社からは3月3日に引き渡しを受け、翌4日に新築の表示登記をし、
同月11日には所有権保存登記を済ませた。そして請求代金も同月21日までに
支払を済ませている。しかし、内装等の確認や、備品の設置が遅れ、完了検査は
7月2日であった。
争点は譲渡しを受けた日が3月20日以前か以後か。
結論は、更正処分は違法であり、請求人の異議を認めた。
審判所の判断はこうである。
課税期間内にマンションの大部分は完成しており、請求人は同期間内に、
①権利保全の為に所有権保存登記をしている。
②金融機関との間で、マンションに抵当権を設定して自己の所有物として
処分している。
③請負代金を完済している。
上記のようなことを考えれば、若干の工事が残存していても完成し、引き渡しが
あったものと同視しても問題ないという観点からである。