Column
コラム
老朽化した建物を建て替えたい・・・賃貸借契約を解除できるか。
建物の老朽化は逃れられないものです。
大規模修繕や耐震工事などで回復させることが出来れば良いのですが、
老朽化で建て替えをせざる得ない場合もあります。
その時期が前以て分かっていれば、賃貸借契約を「定期借家契約」にするのですが、
一般的にはその時期は明確ではないので定期借家契約をするのはリスクがあります。
なぜ、一般賃貸借契約ではいけないのか。
それは老朽化による建物改修工事の必要性が「更新拒絶」「解約」といった貸主からの正当事由となり難いからです。
では、特約をつければ・・・と思いがちですが、
必ず有効となる特約は借地借家法、消費者保護法から見ても絶対はありません。
しかし、可能性は0ではありませんので、
「建替えが予定されていることを認識したうえでの賃貸借契約」を付け加えることがひとつの判断材料になると思います。
参考例を挙げて紹介いたします。
(あくまで判断材料であって正当事由とみなされない場合もあるのでご注意ください。)
①
本物件は老朽化により建替え計画があり、長期間の賃貸借契約の存続は予定されていないことを貸主及び借主は了承した上で、本物件の賃貸借契約を締結した。
よって、本契約における賃料は、近隣相場よりも低額に設定している事も了承するものとする。
②
賃借人は本物件の建替えが実施されることになった場合には、賃貸人からの明渡請求に応じるものとし、
立ち退き料その他金員は請求しないものとする。賃貸人からの明渡請求は3か月前予告とする。