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コラム
個別対応方式と一括比例配分方式の違いで大きく変わる仕入控除税額
消費税増税法案が6月26日に衆議院で可決されましたね。
平成26年4月に8%、平成27年10月に10%、こうなると消費税率の引き上げの前後に
住宅の駆け込み需要及びその反動による影響があることをふまえ、税負担を緩和する、
もしくは税率の見直しを検討してもらいたいですね。
今回は、消費税の仕入控除税額が個別対応方式と一括比例配分方式で還付税額がかわるという事をご紹介致します。
平成24年4月1日以後に開始する課税期間からは、課税売上高が5億円を超える規模の事業者は、いわゆる95%ルールの適用除外とされました。よって、課税売上割合の数値に関係なく、個別対応方式か一括比例配分方式による仕入控除税額の計算が義務付けられることになりました。
個別対応方式とは
課税仕入れ等の税額をその用途に応じて、
①課税売上対応分
②共通対応分
③非課税売上対応分
の3つに区分し、①+②×課税売上割合=仕入控除税額
一括比例配分方式とは
課税仕入等の税額の合計額に課税売上割合を乗じて仕入控除税額を計算する方法です。
(①+②+③)×課税売上割合=仕入控除税額
つまり、居住用賃貸不動産を購入等した場合の取得費は③非課税売上対応分に区分されることから、
居住用賃貸不動産の取得費であっても課税売上割合を乗じた分だけは仕入控除税額ができることになります。
このように非課税業務用の固定資産を取得したような場合には、一括比例配分方式が有利となる場合がありますので
注意が必要です。
それでは上記にあげた非課税売対応分となる課税仕入れにはどのようなものがあるか。
①土地の売却に係る仲介手数料
②販売用土地の造成費
③保険診療にのみ必要な医療品や医療器具等の仕入れ
④有価証券の売買に係る委託手数料
⑤賃貸用建物の取得費
注意が必要なのは上記は課税仕入れである事、そして土地の購入費や支払利息は非課税仕入れであり、
仕入れ税額控除はできないということです。