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サラリーマンオーナーが知っておきたい損益通算
マンションオーナーの過半数以上はサラリーマン兼マンションオーナーではないでしょうか。
そしてこれからも増えてくると思います。 そこで、アパートローンをして、マンションオーナーを検討されている
方に損益通算についてご紹介します。
簡単にいえは、不動産所得の金額が赤字である場合には給与所得の金額の黒字と相殺できる、
ということです。
ここで注意があります!
不動産所得の金額の赤字の内に土地等(土地や借地権)を取得するために要した負債の利子の額がある場合には、この負債の利子の額については「損益通算」の対象とならず、給与所得の金額から控除できません。
そもそも所得税とはですが、
所得税は個人が一年間獲得した利益について課税する税金です。
その利益の性質に応じて10種類の所得に区分されています。
アパート経営に関する所得は、不動産所得、給料は給与所得、不動産を売却した場合には譲渡所得といった具合です。
そして所得税は、総合課税と分離課税があります。
不動産や有価証券の譲渡や先物取引等については分離課税ですが、その他については原則として総合課税です。
総合課税は、所得が多くなるほど税率が高くなり、分離課税は所得の金額に関わりなく一定の税率が定められています。
ちなみに給与所得も不動産所得も残念ながら総合課税です。
次に土地等を取得するために要した負債の利子の額についてです。
損益通算できる金額は、
土地等を取得するために要した負債の利子の額<不動産所得の赤字の金額
であると差額が損益通算できます。
土地等を取得するために要した負債の利子の額≧不動産所得の赤字の金額
であると損益通算できる金額はありません。
例文をあげますと
(借入金が資産ごと区分されていない場合)
自己資金2000万円、借入金4000万円で土地3000万円と建物3000万円を取得し支払利息の年額が120万円とします。
借入金はまず建物を取得に充てたと考えるので、借入金のうち、3000万円は建物、1000万円は土地となります。
よって以下の計算によると
4000万円(借入金総額)-3000万円(建物)=1000万円(土地)
120万円(支払利息)×1000万円(土地)/4000万円=30万円は土地等を取得するために要した負債の利子の額として損益対象となりません。
借入金が資産ごとに区分されている場合は上記の例文なら
120万円(支払利息)×3000万円(土地)/6000万円(土地・建物)=60万円となります。