FAQ 賃貸管理トラブル集

  1. 事務手間を省かずに段取りを組んだ契約でリスク回避を
  2. 安易な合意書の取り交わしによって不利益が生じる土地賃貸借契約
  3. 契約の内容を明確にすることで、借地借家法を回避
  4. 土地の賃借権であるという当事者の意思が必要!
  5. 契約の成立は!?
  6. 定期借家契約の解約に関して
  7. アスベストを使用していたことが後日発覚した場合
  8. 借主が法人である場合に入居者の印鑑証明を受領しなくても問題ないか
  9. 未成年契約における注意点
  10. 貸主が風営法違反の容疑で逮捕された事実は重要事項説明・告知の必要はあるのか。
  11. 地方自治体の条例を確認せずに媒介したことによる損害の責任は
  12. 抵当権設定された建物の賃貸借契約における注意 (説明義務違反による競売)
  13. 賃貸物件を売却する際に注意すべき事 (借主の属性)
  14. 建物全戸を借りる場合の提出書類は各部屋に応じて用意すべきか
  15. 居住用マンションを施設的用途として利用させる場合の他の居住者への配慮
  16. 借主が未成年者であった場合の取り消し
  17. マンションオーナーが被後見人となった場合
  18. 駐車場につき、借主からの解約し終了したにもかかわらず、保証金を取りに来ない場合の保管期間
  19. 駐車場契約後すぐに賃料を不払い、連絡が取れなくなった場合の残地物の処分(マリンジェット)
  20. 駐車場の借主(法人)が破産を申し立てた。今後、この賃貸借契約はどのように処理されるか
  21. 土地を駐車場として利用する場合のトラブル(防音・遮光)
  22. 屋外駐車場のトラブル(木の実)
  23. 事業用借地契約につき、地代の滞納等があった場合、契約は終了できるか。
  24. 事業用借地契約につき、中途解約は認められるか。借主が解散した場合はどうか
  25. 居住物件につき、普通借家を定期借家に変更する事は可能か
  26. 店舗についても定期借家賃貸借契約を締結する事は可能か。
  27. 定期建物賃貸借契約を普通建物賃貸借契約に切り替えることは可能か
  28. 定期借家契約の再契約につき、貸主が権利金を受領することは問題あるか。
  29. 事業用定期借地契約において留意することは何か
  30. 事業用定期借家契約では、存続期に制約があるか、公正証書でなければならないか
  31. 定期借家契約での更新料の設定
  32. 定期借家契約で、期間が満了した場合はどうしたらよいか。
  33. 貸主から、期間の定めがある建物賃貸借の解約申し入れをすることは可能か
  34. 建物賃貸借契約の借主が個人であったが、法人成りをした。契約書は作成しなおすべきか。
  35. 賃貸条件として過去に滞納歴がないこととすることはできるか。虚偽の場合は解除可能か
  36. アパートで自殺者があった。この場合の対応全般について
  37. 10年以上前の床下浸水の事実の説明義務
  38. 契約書において代筆は可能か(夫借主で代筆を妻)
  39. 借主の現住所と住民票記載の住所が異なる場合の契約書の借主の記載は
  40. 利用目的と登記の記載が違う場合の契約は可能か
  41. 外国人が借主の場合、契約書を片仮名書きにして問題ないか
  42. 貸主が自分の名前を出したくない場合の代理人による記入のしかた
  43. 心神耗弱者との契約
  44. 親が未成年契約であると主張で損害金の請求に応じない場合
  45. 未成年が借主で、本人との契約をし、連帯保証人が両親。この契約は有効か
  46. 自己所有の物件を仲介し場合の仲介手数料は
  47. 契約書と重要事項説明書が異なった場合どちらが優先
  48. 旧民法395条(短期賃貸借)について
  49. 契約当初なかった抵当権についての説明義務
  50. ペット不可からペット可物件へ変更する場合
  51. 契約後、建物の損耗による借主からの解除による損害賠償
  52. 借主の破産による契約の帰趨
  53. 第三者による損害における責任所在
  54. 賃貸借契約後、入居前の借主からの解除による決済金の返還請求
  55. サブリース会社の倒産による業務継承
  56. 無断転貸の解除方法
  57. まだ未完成のマンションの賃貸契約の締結は可能か
  58. 解約申し入れは口頭でも可能か
  59. 普通借家契約から定期借家契約への移行
  60. 再契約を前提とした賃貸募集等は有効!?
  61. 定期借家契約の期間満了の通知について
  62. 中途解約の違約金の額の上限とは
  63. 定期借家契約中の賃料増額請求
  64. 定期借家契約でやむを得ない事情での期間延長。その場合は!?
  65. 建物の構造的な部分と用途によっては切り替えも可能!?

事務手間を省かずに段取りを組んだ契約でリスク回避を

土地所有者Aはレンタカー会社Bと(建物所有目的ではない)土地の賃貸借契約を締結した。
その際、レンタカー会社Bは土地にプレハブのような簡易な建物(未登記)を建てて使用してきた。
この度、AとBは当該賃貸借契約を終了させることとなり、レンタカー会社Bは建物を取り壊して所有者Aに土地を明け渡すことになっていた。ところが、次の土地の借主であるCが建物を使用したいので取り壊さないでほしいと要望を出した。
そこで、所有者Aは新借主であるCとの土地の賃貸借契約の締結、旧借主であるBのCに対する建物の所有権譲渡という方法で本件を処理しようとしている。問題はあるのか。
土地上にC所有の建物が存在していると、将来にCが「この土地についてのAとの契約は(建物所有目的の)賃貸借契約であるから、借地借家法の適用がある」と言い出しかねず、もしそのようなことになれば、問題が複雑になる。
したがって、土地所有者Aは以下の契約を結び、今後の起こりうる問題を回避できる方法をとるべきである。
①土地についてのBとの賃貸借契約の合意解約。
②建物をBから所有権移転譲渡を受ける。
③建物が建っている土地部分以外の土地について、Cと賃貸借契約を締結。
④建物についての定期借家契約の締結

安易な合意書の取り交わしによって不利益が生じる土地賃貸借契約

調整区域に所在する土地の賃貸借契約(なお、中古車販売業を営む目的で建物所有目的以外と明記されている。)を締結したが、借主が貸主に無断で当該土地に建物を建ててしまった。その後、貸主は借主に対し建物の撤去・土地の明渡しを求めたが、結局、貸主は借主と「土地を明け渡す際に建物を取り壊す」との内容の合意書を交わしてしまった。貸主はこれから借主に対し、建物撤去、土地の明渡しを求めることができるのか。
当該建物が調整区域にあるとはいえ、貸主は借主と「土地を明け渡すときに建物を取り壊す」との内容の合意書を交わしてしまっていることからすると、貸主と借主との間に建物所有目的の土地賃貸借契約が成立していると解される可能性がある。
したがって、本件において、貸主がこれから借主に対し、建物撤去・土地明渡しをもとめることは困難である。

契約の内容を明確にすることで、借地借家法を回避

広大な土地を賃貸することを検討している。借主は当該土地で中古車販売業を営むとのことである。
この土地にはほんの一部、小さいプレハブのような小屋が建っている。
この場合、当該土地を賃貸した場合は借地借家法が適用されるのか。
土地の賃貸借において借地借家法が適用されるのは、借主が「建物を所有する目的」である場合である。
本件において「借主は当該土地で中古車販売業を営む」とのことであるから、
基本的には「建物を所有する目的」ではないと考えれる。
ここで注意ですが、「本件小屋」の賃貸借と言われると借地借家法の適用になる恐れがあります。

土地の賃借権であるという当事者の意思が必要!

土地の賃借権(レンタカーの車両置き場)であるが、テナントから営業所・連絡事務所的な使用に供するため、
簡易の建物を建てたいとの申し出があった。当該建物が存在することによって借地借家法の適用がある借地関係になっても問題ないか。
借地関係は建物所有目的の土地賃貸借につき成立する。したがって、本件では、建物所有目的ではなく、
当該建物は土地の使用に付随して必要な最低限度の施設であるという位置づけにすれば、借地関係とならないと考えます。
契約書にもその旨を明記し、あくまでも民法上の土地賃借権とすることが当事者間の意思であることを明確にすることが望ましいい。

契約の成立は!?

建物賃貸借の借主予定者が賃貸借契約の申し込みをした。その後、借主予定者は、契約書に捺印して借主予定者側の仲介業者に契約書を郵送し、敷金・礼金・1か月分の賃料を支払った。ところが、その後、借主は当該申し込みを撤回することとなり、貸主予定者側の仲介業者に対し、その旨を伝えた。すると貸主予定者側の仲介業者から、「すでに貸主予定者に契約書を送ってしまった。もう契約が成立していることから、申し込みの撤回ではなく、賃貸借系やウkの解約申し入れの問題である。よって、貸主予定者が借主予定者から受領した金員は返還しない。」との回答があった。(なお、当該賃貸借契約における解約申し入れは「1カ月前」である。)この貸主予定者の言い分には法律上の根拠があるか。
賃貸借契約は貸主と借主の合意によって成立するが、本件においては契約書の作成を前提としていることから、契約書を作成して貸主及び借主が当該賃貸借契約に記名捺印した時に契約が成立したものと判断されることになると思われる。
本件では、借主予定者から「申し込みを撤回する。」との意思を伝えたのは、貸主側の仲介業者が「貸主予定者に契約書を送った」段階であり、この時点においては、貸主本人が当該契約書に記名捺印をしていたかは明らかではないが、貸主予定者が「この時点において当該契約書に記名捺印をしたいた」と言われれば、借主予定者側でこれを覆す証拠を入手することは難しく、貸主予定者側の言い訳が通る可能性が高いと思われます。そして、この貸主側仲介業者の言い分を前提とすると、「貸主予定者が借主予定者から受領した金員は返還しない」との言い分には、法律上の根拠があることとなる。

定期借家契約の解約に関して

以下の①~④の場合は貸主はどのような対応をすべきでしょうか。


①「通知期間」内に貸主が通知を怠った場合

②借主から賃料の値下げの要求があった場合、それを理由に6ケ月前の予告で
解約をすることが可能か。

③家具付きの定期借家契約をしていますが、解約時に家具を借主の負担で処分するを
義務つけることは可能か。

④宅地建物取引業者である貸主が直接借主と定期借家契約を結ぶ場合と、
宅地建物取引業者が媒介する場合の違いは。
①「通知期間」経過後であれば、通知をしたときから6ケ月を経過すれば終了します。

②特約で賃料増減請求権を排除していない限り、借主は賃料の値下げ請求する権利が
  ありますので、定期借家契約といってそれを排除することはできませんし、
それを正当事由として解約することはできません。

③解約時に家具を借主の負担で処分する契約は可能です。
  ただし、消費者に不利益な特約であるため、その合理的な理由と契約前に十分な説明
  及び借主の承諾が必須となります。

④宅地建物取引業者であっても貸主として貸す場合は宅地建物取引業法の適用は
  ないので、重要事項説明の義務はありませんが、定期借家契約としての
 事前説明義務はあります。(借地借家法第38条2項)
  媒介する場合は重要事項説明と定期借家契約である旨の重要事項説明義務が
  あります。

アスベストを使用していたことが後日発覚した場合

建物賃貸借を締結するに当たり、当該建物につき、アスベストの調査をしていないので、「アスベストの調査はしていない」と重要事項説明書に記載した。しかし借主から、「駐車場の天井にアスベストのようなものが見て取れる」と言われて確認したところ、確かにアスベストのようなものが確認できた。そのため、借主と話し合い、賃料を月額5,000円下げて賃貸借契約を締結する事にした。現状、賃貸借契約についての重要事項には、上述のとおり、「アスベストの調査はしていない」との記載しかないが、この記載のみでよいか。
重要事項説明義務としては、「アスベストの調査はしていない」との記載で足りる。しかし、後々、「当該アスベストを原因として事故が起きた」として損害賠償請求等がなされた場合に備え、借主がアスベストの存在を認識していたことを明らかにしておくため、重要事項説明書に「貸主は、借主の指摘を受けて当該建物の駐車場の天井を確認したところ、アスベストのようなものを確認したことから、貸主と借主は、この賃貸借契約についての賃料を月額5,000円引き下げることに合意した」旨の内容の記載をしておいたほうがよい。

借主が法人である場合に入居者の印鑑証明を受領しなくても問題ないか

建物賃貸借契約の借主が法人であり、当該法人の社員が社宅として居住する場合において、当該契約の締結に事務代行会社が係る場合がある。この場合において、当該事務代行会社から「事務手続きが煩雑なので、居住者の印鑑登録証明書は徴収しない扱いにしてほしい」との申し入れがあった。問題ないか。
当該賃貸借契約の契約者は借主たる法人であることから、居住者の印鑑登録証明書は法律上は必ずしも必要なものではない。そのため、あくまでも居住者の印鑑登録証明書を徴収するか否かは貸主の判断である。

未成年契約における注意点

16歳の未成年を借主とする契約をすることになった。どのような点に気をつければよいか。
親権者(通常は両親)を代理人として契約すべきである。(親権者の同意を得る方法もあるが、それも書面で同意を得るべきであるから、代理人として契約する方が簡便である。)

貸主が風営法違反の容疑で逮捕された事実は重要事項説明・告知の必要はあるのか。

質問の事実は、宅建業法35条中には規定がなく、また賃貸借契約の目的たる建物に関する事項でもないことから、当該事実は説明・告知義務を負う事実はなく、借主から当該事実の有無に関心が示された場合以外は、借主に対し、重要事項説明・告知する必要はないと考える。

地方自治体の条例を確認せずに媒介したことによる損害の責任は

古い木造3階建ての物件(店舗)の賃貸を媒介したが、現在の条例のもとでは3階部分は店舗として利用できないとの指摘が行政からなされた。媒介に際して条例まで確認しておらず、当該制約につき重要事項説明をしていなかった。この場合、媒介の立場に法的責任は生じるのか。
宅建業法35条以外の事由でも、あらかじめ店舗として利用することを前提で賃貸借を媒介する際には、当該目的に利用することにつき法律上の制約の有無があるかどうかを条例レベルまで含めて調査し説明する義務があるとする判例がある。したがって、本件についても法的な責任は発生しうる可能性が高いといわざるを得ない。

抵当権設定された建物の賃貸借契約における注意 (説明義務違反による競売)

抵当権が設定されている建物の賃貸借契約の仲介をした後に当該建物が競売に付されて、第三者が競落した。この場合において、仲介業者が当該賃貸借建物の仲介の際に当該建物に抵当権が設定されていることを説明していなかった場合、当該業者は損害賠償責任を負うのか。
「当該(中略)建物の上に存する登記された権利の種類及び内容並びに登記名義人(以下略)」は重要事項の説明事項である。(業法35条)。したがって、賃貸借契約時に抵当権実行の現実的可能性があった場合、当該借主に損害が生じたときには、当該業者は損害賠償責任を負う事となる。

賃貸物件を売却する際に注意すべき事 (借主の属性)

賃貸物件の売却に係る問題。買主は、借主が暴力団関係者ではないかと疑念をもっており、調べたところ、明確にそのような事実はないが、やや粗暴な行動をする人物であることが判明した。このような事情を売買時に買主に情報提供しなけらばならないか。情報提供しない場合、後から責任が問われることはあるか。
買主が物件購入の決定に係る重要な事実として借主の属性を挙げており、業者として知り得た情報がある以上、宅建業法47条に基づき情報提供すべきである。その上で、買主の判断にゆだねることになる。この点が不十分な場合、宅建業法47条違反や、それに基づく民事上の責任があったとして、訴訟リスクを抱えることになるので注意が必要である。

建物全戸を借りる場合の提出書類は各部屋に応じて用意すべきか

22戸ある建物につき、ある法人が全戸を借りうけることとなった。当該法人と賃貸借契約を締結する場合、当該法人の資格証明書(現在事項証明書)及び印鑑証明書を22通準備する必要はあるのか。
それぞれ1通あれば十分であり、法律的にも問題はない。

居住用マンションを施設的用途として利用させる場合の他の居住者への配慮

賃貸マンションに数件の空室がある。今般精神に障害のある方の自立支援等を目的とするNPO法人が契約者となり、精神に障害のある方の居宅として物件を借りたいとの申し出があり、貸主も了解している。しかしその物件はもともとファミリー向けで、現在の居住者においてはそのような施設的用途にも使用されるとの認識はない。後で問題となることはないか。
専用部分の用途に変更があるわけではないが、現入居者からは、建物全体の環境的側面からは契約当時の条件と現在とで異なるとして、貸主の物件の目的に従って使用させる義務違反及び契約違反を指摘されることが考えられる。質問のような契約をする場合には、既存の入居者にも理解を求めるとともに、建物内の居住利用ルールをより徹底しておくことが大切ではないか。

借主が未成年者であった場合の取り消し

アパートの一室の借主らが未成年であった。(親権者の同意もなく、賃貸借契約も交わされていない)現在、当該借主らは、当該部屋から退去しているが、今般、当該賃貸借契約の取り消しをする旨のほか、①支払済みの賃料約12万円の返還を求める旨、②未払いとなっている賃料約12万円は支払わない旨が記載された通知書が送られてきた。①支払済みの賃料約12万円を返還する必要があるか、また②未払いとなっている賃料約12万円を請求する事はできるか。

民法121条

未成年による当該賃貸借契約の取り消し効果を貫くと①12万円は返還し、②12万円は請求する事ができないとの結論となる。ただし、当該未成年者らは、現に当該建物を使用・収益したとの利益を得ている以上、その返還義務を負わず、かつ未払い分も請求可能との解釈は可能ではないか。

マンションオーナーが被後見人となった場合

(1)マンションのオーナーが被後見人となった(後見開始の審判をうけた)(2)マンションは、オーナーの息子が出張時に一時的に使用する事がある。(3)当該マンションについて、オーナーの息子が勤務する会社との間で賃貸借契約を締結しようと思うが、当事者のみで行う事は可能か。

裁判所の許可

裁判所の許可を要する場合があるので、当事者のみでは行われず、裁判所への確認を経てからにせざるをえない。居住不動産の処分については、家庭裁判所の許可が必要であり、本権は賃貸用と思われるものの、物件状況及び当該許可が不要とされるか否か明確ではないので念のため確認を経てから(裁判所の許可を得てから)行うべきであろう。

駐車場につき、借主からの解約し終了したにもかかわらず、保証金を取りに来ない場合の保管期間

解約・終了により敷金返還請求権が発生するが、その時効は、商事であれば5年、民事であれば10年である。ただし、引き取りを催促したにもかかわらず、期限までに取りに来なかったり、行方不明の場合などは、債権の放棄と評価し得る場合もある。解約時の合意として、合理的な期限までに敷金を引き取らない場合には、当該返還請求権を放棄する旨合意しておく事が考えられる。

駐車場契約後すぐに賃料を不払い、連絡が取れなくなった場合の残地物の処分(マリンジェット)

マリンジェットを置く目的の借主と駐車場の賃貸借契約を締結した(借主は法人である。)しかし、同賃貸借契約締結後すぐに借主は賃料を支払わなくなり、借主の電話番号及び借主代表の携帯番号に電話してもでない。どのように対応すべきか。なお、借主の連絡先に関する資料としては、当該法人の登記簿謄本と代表者の免許証のコピーを保管している。
当該賃貸借契約を解除して、駐車場(土地)を明渡し(マリンジェットの撤去)を求めるほかない。なお、借主は、マリンジェットの廃棄場所に困った結果、マリンジェットを置き逃げする事を前提に確信犯的に当該賃貸借契約を締結した可能性もなくない。今後、電話連絡を続けても借主が出る可能性は少ないと思われる。したがって、まずは会社の登記簿謄本の本店所在地に賃貸借契約の解除通知を送り、当該通知が戻ってきてしまった場合は、借主の登記簿謄本の代表者欄記載の住所地に解除通知を送る。そして、駐車場明渡しを求める法的手段を進めていくほかない。

駐車場の借主(法人)が破産を申し立てた。今後、この賃貸借契約はどのように処理されるか

法人が破産を申し立てた場合、特段の事情がない限り管財人が選任されることから、まずは、管財人に方針を確認すべきである。

土地を駐車場として利用する場合のトラブル(防音・遮光)

土地の所有者Aが建物を取り壊して当該土地を駐車場にすることとしたところ、駐車場の隣の土地の所有者Bから、Aに対し、「①完璧な防音を施してほしい、②絶対に車のライトが当たって眩しくないようにしてほしい」との申し入れがあった。Aとしては、対応できることについては対応しようと思うが、Bの申し入れのすべてを受け入れることは難しいとおもっている。(例えば技術的に「完璧な防音」など不可能である。)どのように対応すべきか。
隣人は隣人に対して、社会通念上、受忍すべき限度を超える場合については、法的手段を講じる事が出来るが、社会通念上受忍限度の範囲内の場合には、法的手段を講じることはできない。(ただし、申し入れをすることは可能である。)本件においては、Aが土地を駐車場にすることは自由である。そして、Bの受忍限度を超える事実もないのであれば、AはBの申入れに応じる義務はない。ただし、AはBの申入れに対して、誠実に対応しているとの姿勢を示して証拠に残しておく事は重要である。

屋外駐車場のトラブル(木の実)

駐車場の借主から「車に木の実がつくから何とかしてほしい」との申し入れがあった。しかし、借主に「どの木の実がつくのですか」と聞いても答えない。どこまで対応すべきか
当該駐車場は屋外という事であり、多かれ少なかれ車に木の実が付く事は避けられない。そのため、法律的には当該借主に今以上の対応をする必要がないと考えられる。

事業用借地契約につき、地代の滞納等があった場合、契約は終了できるか。

地代滞納等の債務不履行に基づく解除は、解約とは異なり、いかなる要件のもとでも可能である。

事業用借地契約につき、中途解約は認められるか。借主が解散した場合はどうか

契約において、中途解約権の定めがあれば解約は可能。貸主が法人で解散した場合は、当事者の一方が消滅した事になり、契約関係は当然に終了する。

居住物件につき、普通借家を定期借家に変更する事は可能か

平成13年4月1日以前からの契約についてはできないが、それ以降に新規に締結された契約で、当事者その意味を十分に理解したうえで、当事者間の合意による普通借家契約を終了し、新たに定期借家契約を締結することは可能である。

店舗についても定期借家賃貸借契約を締結する事は可能か。

可能である。

定期建物賃貸借契約を普通建物賃貸借契約に切り替えることは可能か

普通建物賃貸借契約のほうが、定期建物賃貸借契約よりも借主に有利であることから、問題ない。

定期借家契約の再契約につき、貸主が権利金を受領することは問題あるか。

権利金の趣旨が明確であり、金額が暴利行為というような金額ではなく、借主も十分に認識の上合意していれば、特に法律上の問題はないと考える。

事業用定期借地契約において留意することは何か

30年以上50年未満の事業用定期借地契約をする場合には、更新がない事、建物買取請求権がないことなどを特約しておく必要がある。

事業用定期借家契約では、存続期に制約があるか、公正証書でなければならないか

短期、長期共に制約はない。契約で自由に定めればよい。方式も、書面であれば、必ずしも公正証書による必要はない。

定期借家契約での更新料の設定

期間6年の定期借家契約を締結する事を検討している。しかし、定期借家契約について期間6年としてしまうと、普通賃貸借契約のような2年ごとの更新料を受領する事ができなくなる。そこで、賃料に関する合意として「借主は貸主に2年毎に賃料の2ヶ月分を支払う」との特約を締結することを検討しているがこの特約に問題あるか
賃料の支払い方法についての合意として、一応有効と考えられる。ただし、借主側がその内容を十分に認識したうえで契約がなされたかが争いになる可能性がある。

定期借家契約で、期間が満了した場合はどうしたらよいか。

契約終了として明渡しを求めてよいし、また再契約をしてもよい。なおいずれにしても契約が終了した旨の通知はしておくべきである。

貸主から、期間の定めがある建物賃貸借の解約申し入れをすることは可能か

法令上は、期間の定めがある建物賃貸借契約においても、貸主が、「解約権を留保」していれば可能である。(民法618条)しかし、実際上は、貸主の解約申し入れには「正当事由」が必要である事もあり、また、期間満了時の更新拒絶以外に貸主の解約申入れを認める必要性が乏しいことから、期間の定めがある建物賃貸借契約について、貸主から解約申入れをしても結論として認められない可能性が高い

建物賃貸借契約の借主が個人であったが、法人成りをした。契約書は作成しなおすべきか。

借主の法人成りの場合にも賃借権の無断譲渡・賃借物の無断転貸が問題となるところ、判例は法人成りの場合には、信頼関係破壊といえる特段の事情の存在を認めず、民法612条2項に基づく契約解除を認めない。しかし、当該賃貸借契約は借主と個人なのか(この場合は、個人と法人なりをした法人との間に転貸借契約があることとなる。)、それとも貸主と法人なりをした法人との間の契約なのか(この場合、個人は契約関係から離脱する。)、を明確にする観点からは、契約書を作成しなおすことが望ましいと考える。

賃貸条件として過去に滞納歴がないこととすることはできるか。虚偽の場合は解除可能か

人権問題に直接かかわったり、直ちに公序良俗に反するとまではいえないものと考える。ただし、いずれの条件も本人の申請により確認せざるを得ないところ、仮にそれが虚偽であった場合にそれだけで解除が認められるかどうかは、当該条件設定が、賃貸借関係の継続において重要かつ前提となりうるかという観点から評価されることになり、他に債務不履行の事実がないと難しいと考える。

アパートで自殺者があった。この場合の対応全般について

物件の属性等によっては考慮すべき事情が異なってくるが、過去の判例には、街中の単身者用物件につき、自殺があった物件につき2~4年は賃料が半額になりうると判断したものがある。したがって2~4年間は当該物件については自殺があったことを説明すべきであるとともに、その場合の家賃下落分については借主の連帯保証人・相続人等に損害賠償して請求することも考えうる。

10年以上前の床下浸水の事実の説明義務

その事実が賃貸借をするか否かの動機づけに影響を生じるものであれば説明すべきであるが、10年以上面の周囲の治水施設設置前に一度起こった床下浸水については環境が変化したことや通常生じ得ないことであるから、床下浸水によって構造上影響がない場合ではない限り、必ず説明しなければならない事実ではないと考える。

契約書において代筆は可能か(夫借主で代筆を妻)

不可能ではないものの、後日紛争のもとになるので、契約書を預けて本人に自署してもらうのがよいのではないか。

借主の現住所と住民票記載の住所が異なる場合の契約書の借主の記載は

契約書に借主の住所を記載するのは借主の特定のためである。したがって、契約書には、借主の現住所に併せて住民票記載の住所地を記載した方がよいと思われる。

利用目的と登記の記載が違う場合の契約は可能か

共同住宅として登記されている物件につき、事務所目的で契約をすることになった場合、登記を変更しなければ、契約はできないか。
登記は対抗要件であり、かつ、建物の利用目的は表示登記中にあることから、実際の利用と登記の記載とが異なることはよくあることであって、登記を変更しなければ契約できないということではない。ただし、物件を売却するときなどでは、借主の属性等が登記と実際とで異なる事態が生じることから、無用のトラブルが発生しかねない。したがって契約とは別に、機会をみて目的の変更手続きをしておくことが望ましい。

外国人が借主の場合、契約書を片仮名書きにして問題ないか

合意内容を双方が相違なく認識し理解できるのであれば片仮名書きでも問題ない。

貸主が自分の名前を出したくない場合の代理人による記入のしかた

貸主○○代理人△△会社という表示が一般的である。代理人による契約が有効であるためには、授権行為の存在が必要であり、かつ、契約上の権利義務等の、代理行為による効果は貸主本人に帰属する事から、貸主名を記載しないというのは問題がある。貸主名を出さないというのであればサブリース契約をにすべきであると考える。

心神耗弱者との契約

借主は母親に障害を負わせてしまい、その後収容施設に入り、社会復帰をしたとのことである。心神耗弱者との賃貸借契約を締結した場合、契約取り消しの可能性はないのか。その可能性があるとしたら、どのようにすればよいか。
契約の取り消しの可能性はゼロではない。したがって万全を期すのであれば、当該借主の親族に家庭裁判所に成年後見、保佐等の審判を申し立ててもらい、家庭裁判所の審判を経るべきである。その結果、成年後見、保佐の必要はないと家庭裁判所に判断されたのであれば、当該借主と直接契約をすればよい。成年後見の開始の審判がなされた場合、後見人と契約することになる。保佐の場合は、基本的には3年以内の建物賃貸借契約はで被保佐人本人もできるが、家庭裁判所から当該契約についても同意を得るべきという旨の審判がなされた場合、保佐人の同意が必要である。

親が未成年契約であると主張で損害金の請求に応じない場合

貸主が未成年契約の借主と契約し、約1年経過後契約を終了したが、滞納賃料が3カ月あり、原状回復費用も多額に発生する。親に請求したところ、未成年契約は成立しないはずであるからそのような請求は、未成年にも親にも請求できないはずだと主張された。どうように考えるべきか。(親は契約時に連帯保証人になることを拒否したという事情もある)
未成年者を当事者とする契約も有効に成立する。(あとから取り消す事ができるだけである。)したがって、親権者の同意がない契約であっても、賃料ないし賃料相当損害金の支払い義務や、原状回復費用の支払い義務は未成年者本人に生じる。ただし、親は連帯保証人でない以上、法的義務を直接負うことはない。とはいえ、通常であれば、子供かけた迷惑行為につき親が道徳的に対応するのは常識の範疇に属するものであり、事実上の協力を求める事は十分可能と考える。

未成年が借主で、本人との契約をし、連帯保証人が両親。この契約は有効か

未成年者本人の契約で、親権者の同意がない場合でも、契約自体は有効に成立する。(ただしあとから取り消しが容易に認められる。)また、この場合、親権者が連帯保証人となっており、連帯保証契約の際、未成年である借主が契約する事を前提に保証契約をしている以上、その保証契約の中に、未成年者の賃貸借契約に係る同意の意思表示も含まれていると解することもかのうであろう。したがって、本件の場合、有効な契約として扱って問題ないと考えるが、今後は、連帯保証契約とは別に、親権者の同意書もとっておくことが無用なトラブルの回避の観点から望ましいと考える。

自己所有の物件を仲介し場合の仲介手数料は

自己所有物件の賃貸は仲介ではないので、仲介手数料の受領はできない。

契約書と重要事項説明書が異なった場合どちらが優先

契約書が優先する。ただし、重要事項説明と異なる内容であるため、借主への情報提供が不十分として一定の条項につき無効ないし不存在と評価される可能性がある。

旧民法395条(短期賃貸借)について

抵当権設定前に締結された賃貸借契約は旧民法395条の適用がなく、抵当権が実行されても、同賃貸借契約が更新される限り、借主は退去する必要がない。一方、抵当権設定後に締結された賃貸借は、旧民法395条の適用により、借主は、短期賃貸借期間満了時までは退去する必要がないが、同期間満了時には退去しなければならない。

契約当初なかった抵当権についての説明義務

賃貸借契約締結時に賃貸借契約の対象物件に抵当権が設定されている場合、業者は重要事項説明として、本物件に抵当権が設定されている事実を借主予定者に説明する。一方、賃貸借契約締結時には設定されてなかった抵当権が更新時には締結されている場合がある。この場合、業者は賃借人に対してその時点において、本物件に抵当権が設定されている事を説明しなくても問題はないか。

業者の責任はない。

賃貸借契約締結時に抵当権が設定されている場合、抵当権が実行されてしまうと、同賃貸借契約は同抵当権に劣後する事から、借主は本物件から立ち退きを余儀なくされる場合がある。一方、賃貸借契約締結時に抵当権が設定されていない場合には、賃貸借契約更新時に抵当権がが設定されていても、同賃貸借契約は同抵当権に優越することから、同抵当権が実行されたとしても借主は本物件から立ち退く必要はない。したがって、賃貸借契約締結時に設定がなかったが、更新時に抵当権の設定があった場合、その後、抵当権が実行されても、法律上は、借主に不利益は生じない。したがって、本件の場合は業者が説明しなくても法律上の問題は生じないといえる。ただし、更新時に物件に抵当権が設定されている事を借主に伝えてあげるのが親切であろう。

ペット不可からペット可物件へ変更する場合

現在、賃貸人との賃貸借契約にはペット飼育禁止条項を入れている。しかし、この度、本件建物をペット飼育可能物件としたい。法律上の問題はあるか。
ペット飼育禁止条項は、借主に対し、ペット飼育禁止義務を負わせるものであり、本件建物をペット飼育可能の物件にすることについては問題ない。ただし、本件建物についての賃貸借契約がペット飼育禁止となっていることを理由として借りた人もいないとは限らず、ペット飼育可とした場合、その借主との関係で問題になる可能性がある。そのため、後々トラブルを防止の観点から、本件建物をペット飼育可の物件にすることを、各借主に説明し、かつ、同意書を受領しておくことが望ましい。

契約後、建物の損耗による借主からの解除による損害賠償

事業用物件で、医院が借主。8月に契約をし10月に契約開始としていたところ、漏水事故が発生して、借主から契約を解除したいと申し出があり、賃貸借契約上支払われてた金銭はすべて返還する事にしたが、借主から開業準備に要した費用をすべて負担せよとの請求がなされている。どのように考えるべきか。

損害論と因果関係論

この問題は、契約が履行できない事による損害賠償の範囲の問題である。まずは借主からの損害の具体的な内容を証拠に添えて提示してもらう必要がある。(損害論)また、そもそも漏水によって、契約が不能になったか、それとも修繕工事によって一般的には契約可能となったかを確認するとともに、前者の場合、具体の損害と契約継続不能との間に因果関係があるのかも検討する必要がある。(因果関係論)また、後者の場合には逆に空室が発生することにより貸主側の損害との相殺の問題も考え得る。したがって、この問題の解決にあっては、借主側の一方的な要求をこたえるのではなく、上記論点を勘案し、協議をしていくことになるだろう。ただかなり専門的なところもあるので調停等で対応する事も考慮すべきではないか。

借主の破産による契約の帰趨

貸倉庫の借主が、本年8月に破産した(なお、債権者集会は本年12月10日とのこと)が翌9月分の賃料の入金があった。①この賃貸借契約の帰趨をおしえてほしい。②(仮に賃貸借契約が終了する場合)借主が倉庫に設置したタンクの原状回復を求める事はできるのか。(契約書にも賃貸借契約終了時、借主がタンクを処分するとの条項がある。)

通常は破産管財人が

①について、借主が破産したとの事情のみでは倉庫の賃貸借契約は終了しない。したがって、当該賃貸借契約は存続している。ただし、借主の破産管財人が倉庫の賃貸借を解除してくる事はある。(破産法53条)今後、破産管財人が即時解約をするか否かについては、破産管財人に電話等をしてきいてみるべきである。②については、通常、破産管財人がタンクの原状回復をすることとなるが、破産管財人が保管している破産会社の費用が潤沢出ない場合は、事実上、貸主が費用を拠出して原状回復をせざるを得ない場合がある。

第三者による損害における責任所在

建物賃貸借の借主の鍵がボンドで固められて開かなくなってしまった。借主に個人的な怨恨がある者の仕業である可能性が高いが証拠がない。この場合、鍵の交換費用を借主に請求することができるか。

貸主の義務

建物賃貸借の借主の鍵がボンドで固められて開かなくなってしまった事については貸主・借主にも法律上の故意ないし過失はあるとはいえない。とすれば、借主に対し、建物の使用・収益される義務を負っている貸主が鍵の交換費用を負担することになると思われる。

賃貸借契約後、入居前の借主からの解除による決済金の返還請求

賃貸借契約をし、貸主・借主の署名等はあるが、保証人の署名等はまだない。ところが契約の2日後(実際の入居前)借主から取りやめるとの連絡があり、前家賃、敷金等、媒介手数料を全額返せと請求された。どのように考えるべきか。

契約は成立している。

賃貸借契約は貸主・借主の合意により成立し、保証人の署名押印等がないとしても成立する。(そもそも保証契約は賃貸借契約と別個の、貸主と保証人との間の契約である。)したがって、本件は、賃貸借契約は成立したのだけれど実際の入居前に解約された場合の精算の問題ととられる必要がある。中途解約の場合の30日前通知の規定と趣旨や、契約成立後の一方的な解約により空室期間が発生する事に対する損害賠償の観点などから、当然に全額返還とはいえない。

サブリース会社の倒産による業務継承

一括借り上げ物件で、サブリース業者が民事再生手続きを開始し、その結果、サブリースの原賃貸借契約は解約となって、エンドユーザーとの賃貸借契約をオーナーが承継する事になった。オーナー代行でテナントにその旨連絡したところ、旧貸主(サブリース業者)からの通知でないと受け付けられない旨の回答がなされた。どう対応すれば。

権利義務関係の明示

貸主の変更通知は、旧貸主及び新貸主の連名で行う事が望ましい。ただし、民事再生手続き中であり、再生会社がなかなかそのような通知書まで作成する余裕がないケースもあるので、そのようなやむえない場合には、例えば新貸主からの通知書に、オーナーとのサブリース業者との間に賃貸借契約の解約合意書のコピーなどを添えて、権利義務関係の承継の事実を明らかにする事が考えられる。

無断転貸の解除方法

資材置き場の賃貸借契約の借主との連絡がつかない。しかし、同借主が無断転貸ないし無断譲渡したと思われる専有者が賃料相当額を支払ってきているので損害はない。貸主としては借主と賃貸借契約を解除して、現在の占有者との間で賃貸借契約を締結したい。(占有者もその意向である。)どのようにして借主との契約解除をしたらよいか。

解除通知をする。

無断転貸ないし無断譲渡に基づき、借主との契約を解除する。解除の方法は、まずは、①借主の登記簿謄本上の本店に解除通知を送る。②借主の代表者の自宅に解除通知を送る。③意思表示の公示送達を利用する。

まだ未完成のマンションの賃貸契約の締結は可能か

建物がまだ未完成であることから、賃貸借の目的となる建物が存在していないことから、同建物を目的とする賃貸借契約を文章で締結する事はできない。したがって、予約契約ないしは建物引き渡しを停止条件とする契約とすべきである。

解約申し入れは口頭でも可能か

可能だが

法律上は口頭でも可能ですが、解約申し入れ日及び解約の効力が生じる日を明らかにすべく、出来るだけ書面での解約申し入れをすべきです。

普通借家契約から定期借家契約への移行

普通借家契約で2回更新し、4年後に契約を終了させることを原則として、場合にはよっては定期借家契約に移行するという契約は可能か。

切り替えはできない

平成12年3月1日より前に締結されたものについては、居住用は現在の借地借家法では定期借家契約への切り替えはできない。普通借家契約で法的には意味はないが、原則4年後に更新しない旨合意しておき、正当事由の判断を有利にするようにしておく。

再契約を前提とした賃貸募集等は有効!?

定期借家契約で、あらかじめ再契約をできることで賃貸物件の広告をし、契約書にも明記しておくことは可能か。
いかなる場合も当然に再契約ができるという内容であれば、ケースによっては普通賃貸借とみなされてしまいます。
従って、再契約があり得るという表現にとどめて、借主の誤認を招かないようにしなければならない。
不明確な契約書の作成は避け、そして条文にも「更新料」のような更新を前提とする文言は使用してはいけません。

定期借家契約の期間満了の通知について

定期借家契約の期間満了の事前通知を、期間満了前の「1年から2年前」とすることは可能ですか。
借地借家法38条4項にもとづいてできません。

中途解約の違約金の額の上限とは

定期借家契約で契約期間を10年として、中途解約の場合、2年分の賃料相当の違約金をとることは可能ですか。
裁判事例で普通借家につき、中途解約の違約金を1年分だけ認めた事例もありますが、居住用で2年は借主に不利な特約として消費者契約法に照らし問題とされる可能性があります。

定期借家契約中の賃料増額請求

定期借家契約の場合にも、貸主は借主に対し賃料増額請求をすることはできますか。
特約で別に賃料改定ルールを決めていなければ可能です。

定期借家契約でやむを得ない事情での期間延長。その場合は!?

定期借家で満了期間を迎えるが、借主側の事情で6ヶ月間延長を要請されています。
応じる意向ですが、この場合、契約上はどのように扱うべきでしょうか。
法律の原則からは再契約をすべきであるが、定期借家の終期を当事者間の合意で6カ月後に変更するという方法も考えられます。
ただし、これを繰り返すと、普通借家にかかる借地借家法の強行規定逃れの脱法行為と評価される可能性もあるため1回限りとしかつその経緯、変更の理由等につき記録を残すべきです。

建物の構造的な部分と用途によっては切り替えも可能!?

平成12年より前からの1戸建て普通賃貸借で、1階が店舗、2階が住宅という場合、
期間満了時に定期借家契約に切り替えることは出来ますか。
2階部分が住居としての構造上利用上の独立性があれば、
建物全体が住宅を含む建物ということになり経過措置規定が適用され
定期借家契約に切り替えは出来ません。
ただし、2階部分が独立した住宅ではなく、定員の仮眠室等であれば、
それは事業用物件の一部と評価することもできて切り替えの制限をうけない。
これは、2階部分の利用形態及び、構造的な部分を十分調査確認上対応することが必要です。