FAQ 賃貸管理トラブル集

入居者・連帯保証人が刑事事件を起こした場合(法人契約)

法人契約で、入居者・連帯保証人が暴力団構成員。事件をおこし、警察沙汰にもなっている。契約を解除したいが留意点は。
契約上の借主と入居者が異なっていることをどうクリアーするかがポイントになる。具体的には以下の対応を検討する。①一人会社のような法人=入居者個人と評価できる場合には、法人の信義則違反として契約解除を図る。②法人契約の場合、借主として実際の入居者に契約上の義務を遵守させる義務があるのだから、当該義務違反行為を根拠に契約解除をする。③実際の入居者が暴力団構成員であることから、法人自体もそれに準ずるケースも考えられるので、警察に相談する。

同居人が反社会的組織に属している

女性と子供に賃貸していたところ、暴力団構成員が同居人となった。同じ建物内の他の入居者から何とかしてほしいと依頼があるが、契約解除などできるか。
同居人の追加につき、承諾事項としていれば、無断での同居人の追加と、実際に同居人が増えたことにより周囲への影響等に相違が生じたことなどを総合して、信頼関係の破壊として解除する事も可能である。また、賃貸契約時に暴力団構成員であることを秘匿して契約した場合は、詐欺等により契約を取り消し、または信頼関係破壊として解除する事も可能である。それ以外では、単に暴力団構成員であるということだけではなく、実際にそのことにより、どのような影響が生じているのかもあわせて、契約終了の可否を検討する必要がある。

公共水路上に大量のゴミ

公共水路をはさんだ隣家が、公共水路上に多量のごみ等を放置している。何等かの対応をとることは可能か
公共水路上のゴミ等を、所有権に基づき撤去せよという主張は困難であるが、当事者間で債権債務としてゴミを置いて迷惑をかけない旨の合意をしておき、もし当該合意に反したら、損害賠償という形で解決を図るという手法が考えられる。

借主の子供による落書き等の責任は

無能力者の不法行為については、監督義務者が責任を負う(民法714条)親である借主に請求する事が可能。

ゴミ屋敷状態からの改善のない場合の更新拒絶は

物件がゴミ屋敷状態になっている。6ヶ月前から状況が改善しない限り契約継続は出来ない旨を伝えてあるが、現段階でもほとんど変わっていない。間もなく更新時期がくるが、契約終了させたい。どのような手法があるか。
まずはゴミ屋敷状態で、近隣への迷惑、物件への影響、そもそもの借主としての用法義務違反、善管義務違反ということで契約解除が考えられる。更新拒否も可能(正当事由あり)とも考えられる。

喫煙に対する居住者同士のトラブル

居住者間のトラブル。1階の借主の喫煙に対し2階借主が管理業者に対してどうにかしてほしいと苦情が持ちかけられた。1階の借主は場所や時間を決めて吸っているが、2階の借主は納得しない。どのように対処すべきか。
いまだ他の入居者への影響等がない以上、賃貸借契約の問題として貸主及び管理会社で何らかの法的手段をとる状況にない。状況を聞く限り、2階借主の受忍の限度の範囲であり、法的に2階借主の主張がとおることは困難であることを前提に、当事者間で話し合いをしてもらうしかないと考える。

深夜の騒音による近隣への迷惑

貸借契約の借主が夜中に大きな音で音楽を聴くなど近所迷惑が甚だしい。また、借主は一見して、精神状態が普通でない状態である。借主は現在仕事をしておらず生活は姉が支えているようだ。賃料支払いも遅れがちであるが、本件賃貸借契約には賃料の保証会社が付いているため、現在、未払い賃料はない。ただ、貸主としては今後、近所からクレームが入り、近所関係が悪化する事を恐れ。今般、本件賃貸借契約の契約更新時が近づいているのを機会として、その更新を拒絶し、借主には退去してもらいたいと考えている。
今後も近所からクレームが入る可能性が高く、借主に本物件を退去する方向で検討してもらうべきである。費用を考え、まず任意での退去を求めるべきであるが、借主本人が普通の精神状態でないことから借主本人との直接交渉は避けたいところである。そこで、借主の姉に相談すべきである。借りに、任意での退去が難しい場合、裁判を提起せざるを得ないが、この場合、裁判では本件賃貸借契約の更新拒絶に付いての正当事由の有無が判断される。そのため、借主が近所迷惑を撒き散らしている状態に付いての証拠を残しておくべきである。

県からの紹介による賃貸借契約後のトラブル

DVの被害者につき、県からの紹介などに基づき賃貸借契約を結んだが、その後もその借主の奇行が激しく、貸主側も困っている。県に相談しても明確な対応はしてくれない。どのようにすればよいか。
奇行が激しく近隣迷惑行為とされる場合には、契約解除も可能である。DV被害者に対する賃貸で注意すべき点は、加害者に対し被害者の居所を明かさないということであり、それ以外については一般の契約関係者と代わるところはない。県の担当者に事情を話し、公営住宅の斡旋等の手配をしてもらって契約終了に向けて対応することが考えられる。

ゴミ問題(入居者のマナー)

共益費で一定のゴミの回収費用を見込んでいたが、居住者のマナーが悪く、ゴミ処理に多額の費用がかかることになった。共益費の値上げを考えているが可能か。
共益費の構成要素のコストが増大するという実質的な根拠があり、そのことを借主に説明し、合意が得られれば増額は問題ない。ただし、増額の合意が出来ない場合には、そもそもコストが膨らむ原因を作ったマナー違反者を特定し、その者には増額分の負担を求める事を検討する。