FAQ 賃貸管理トラブル集

ゴミ出しのルールを守れない借主に対して契約解除は可能か

ゴミだしルールを守ることも借主として物件を使用する際に当然に要求される用法遵守義務、善管注意義務の一つと考えられる。したがって、それを守らないことは契約違反、債務不履行と評価できる。ただし、解除するためには、その行為のひどさや他の入居者等への影響なども材料として集めておくことが必要である。なお、その処理に過分の費用が掛かる場合には、当該費用を損害と位置づけて損害賠償請求も可能であろう。

建物賃貸借の借主が近隣に迷惑行為を行って困っている。どのように対応したらいいか

①まず、連帯保証人に協力をお願いする。②それでも改善しない場合は、貸主は賃貸借契約上の迷惑行為禁止条項に基づいて借主との賃貸借契約を解除して任意の建物明渡しを求め、③借主が任意の明け渡しを拒絶した場合は建物明渡し請求訴訟を提起することとなる。(なお、訴訟提起の準備として借主による迷惑行為についての証拠を整理しておく必要がある。)

近隣からの損害賠償請求

住宅街の一戸建ての借主Aが落ち葉を全く清掃しない。Aの隣人であるBがAに対し「Aが落ち葉の掃除を全くしないがために、自分が(B)無駄な労力を掛けさせられている。」として損害賠償請求をした場合、認められるか。
住宅街の一戸建ての住人には落ち葉を掃除する法律上の義務があるとする法令は見当たらない以上、Aの不法行為の主張・立証は困難であって、容易には認められないと思われる。

解約済である車検切れの車への対応

駐車場契約で、解約済みであるにもかかわらず、
当時の借主の車検切れの車がそのまま放置されている。
借主は撤去要請に応じない。どのように対応すべきか。
車を放置して駐車場の一部を占有している状態は不法占有に当たり、
少なくとも賃料相当損害金が発生するとして、解約後の賃料相当損害金の支払いを請求し、
その対応の中で車の撤去や所有権放棄及び撤去費用の負担の合意を
取り付ける方向で協議していくことが考えられます。

無断駐車の現行犯を告訴できるのか。

月極め駐車場に無断で自動車を留めている人がいて、現場を押さえた。
その場合、業務妨害罪で告訴することはできるのか。
業務妨害罪の成立には以下の3つの行為が必要となる。
「風説の流布」「偽計」「威力」
しかし本件については、これらの行為がなく、業務妨害罪で告訴することは困難である。
ただし、事情によっては、無断駐車した者に不当利益返還請求ないし、
不法行為に基づく損害賠償請求をすることが考えられる。

無断駐車している自動車に車止め、そして貼り紙はトラブルに発展しないか。

多数の自動車が管理している月極め駐車場に所有者の許可なくとめてしまうところ、
許可なく停めている自動車の車輪に車止めをつけても法律上問題はないか。
なお「許可なく停めた場合には1カ月分の賃料相当額を頂きます。」との貼り紙の効果はない。
まず、貼り紙の件ですが、物の効用を焼失させる一切の行為である、
器物破損の損壊に該当する可能性があります。
ただし、無断駐車車両に対する正当な警告行為として、違法性が阻却されるとも考えられます。
このトラブルを回避するためには、駐車場に「土地所有者権貸主ないし管理者の許可なく停めた自動車の車輪には車止めを付けます。」と掲示しておくことをおすすめします。
そして、無断駐車をしている者から連絡があれば、直ちに外すことを前提に行うのであれば、
不法行為者特定のためのやむ得ない行為として、許容される余地があると思います。

通常使用以上の損耗における請求

借主の通常使用を超えた使用により損耗が生じたため原状回復を求めたが、きわめて少額しか支払わないとしている。どう対応すれば...

明確に示すことが大事

国土交通省住宅局が、とりまとめて公表している原状回復ガイドラインの基準に従い算出したものであれば、その額を敷金から差し引いて返還する。もし借主が裁判に持ち込んできた場合に備え、ガイドラインベースの算出であることを明確に示せるようにしておくことが大切である。

事業用建物賃貸借の場合の原状回復の内容

基本的には契約書それ以外は当事者間で協議

基本的には契約書の内容による。事業用でも最高裁の基準に従い合意の有無が問われるケースがあるので、契約の内容・手続きについては十分に留意しておく。②契約書上明確になっていない場合には、修繕費用は賃料・減価償却などにより回収済であるとの原則との兼ね合いを前提に、当事者間で協議の上、範囲を決める。

鍵交換費用(契約書に借主負担記載)

退去時の鍵の交換費用を借主負担とする契約に基づき、当該金額を請求したところ、それは貸主の為のものであるという理由で拒否されたが、この主張は正当か。

明確に合意があれば

原状回復の一環としてとらえれば、鍵の交換負担は借主負担部分からは除かれる。ただし、特約事項として明確に合意がされたのであれば、それはそれで有効となり得る。手続き面で明確な合意があったといえる状況であったかを精査する必要がある。