FAQ 賃貸管理トラブル集

地方自治体の条例を確認せずに媒介したことによる損害の責任は

古い木造3階建ての物件(店舗)の賃貸を媒介したが、現在の条例のもとでは3階部分は店舗として利用できないとの指摘が行政からなされた。媒介に際して条例まで確認しておらず、当該制約につき重要事項説明をしていなかった。この場合、媒介の立場に法的責任は生じるのか。
宅建業法35条以外の事由でも、あらかじめ店舗として利用することを前提で賃貸借を媒介する際には、当該目的に利用することにつき法律上の制約の有無があるかどうかを条例レベルまで含めて調査し説明する義務があるとする判例がある。したがって、本件についても法的な責任は発生しうる可能性が高いといわざるを得ない。

抵当権設定された建物の賃貸借契約における注意 (説明義務違反による競売)

抵当権が設定されている建物の賃貸借契約の仲介をした後に当該建物が競売に付されて、第三者が競落した。この場合において、仲介業者が当該賃貸借建物の仲介の際に当該建物に抵当権が設定されていることを説明していなかった場合、当該業者は損害賠償責任を負うのか。
「当該(中略)建物の上に存する登記された権利の種類及び内容並びに登記名義人(以下略)」は重要事項の説明事項である。(業法35条)。したがって、賃貸借契約時に抵当権実行の現実的可能性があった場合、当該借主に損害が生じたときには、当該業者は損害賠償責任を負う事となる。

賃貸物件を売却する際に注意すべき事 (借主の属性)

賃貸物件の売却に係る問題。買主は、借主が暴力団関係者ではないかと疑念をもっており、調べたところ、明確にそのような事実はないが、やや粗暴な行動をする人物であることが判明した。このような事情を売買時に買主に情報提供しなけらばならないか。情報提供しない場合、後から責任が問われることはあるか。
買主が物件購入の決定に係る重要な事実として借主の属性を挙げており、業者として知り得た情報がある以上、宅建業法47条に基づき情報提供すべきである。その上で、買主の判断にゆだねることになる。この点が不十分な場合、宅建業法47条違反や、それに基づく民事上の責任があったとして、訴訟リスクを抱えることになるので注意が必要である。

建物全戸を借りる場合の提出書類は各部屋に応じて用意すべきか

22戸ある建物につき、ある法人が全戸を借りうけることとなった。当該法人と賃貸借契約を締結する場合、当該法人の資格証明書(現在事項証明書)及び印鑑証明書を22通準備する必要はあるのか。
それぞれ1通あれば十分であり、法律的にも問題はない。

居住用マンションを施設的用途として利用させる場合の他の居住者への配慮

賃貸マンションに数件の空室がある。今般精神に障害のある方の自立支援等を目的とするNPO法人が契約者となり、精神に障害のある方の居宅として物件を借りたいとの申し出があり、貸主も了解している。しかしその物件はもともとファミリー向けで、現在の居住者においてはそのような施設的用途にも使用されるとの認識はない。後で問題となることはないか。
専用部分の用途に変更があるわけではないが、現入居者からは、建物全体の環境的側面からは契約当時の条件と現在とで異なるとして、貸主の物件の目的に従って使用させる義務違反及び契約違反を指摘されることが考えられる。質問のような契約をする場合には、既存の入居者にも理解を求めるとともに、建物内の居住利用ルールをより徹底しておくことが大切ではないか。

事業用借地契約につき、地代の滞納等があった場合、契約は終了できるか。

地代滞納等の債務不履行に基づく解除は、解約とは異なり、いかなる要件のもとでも可能である。

事業用借地契約につき、中途解約は認められるか。借主が解散した場合はどうか

契約において、中途解約権の定めがあれば解約は可能。貸主が法人で解散した場合は、当事者の一方が消滅した事になり、契約関係は当然に終了する。

店舗についても定期借家賃貸借契約を締結する事は可能か。

可能である。

定期建物賃貸借契約を普通建物賃貸借契約に切り替えることは可能か

普通建物賃貸借契約のほうが、定期建物賃貸借契約よりも借主に有利であることから、問題ない。