FAQ 賃貸管理トラブル集

媒介契約を打ち切ったら、費用の請求を受けた。

気に入った物件が見つからなかったので、媒介契約満了時に契約を打ち切りましたが、その後不動産会社から費用を請求されました。

特別に依頼した業務にかかわる「実費」以外は、支払う必要はありません。

不動産売買の仲介(媒介)を行う不動産会社は、取引が成立しなければ仲介手数料を請求することはできません。仲介手数料は、あくまでも成功報酬であり、売買契約が成立しなかったときには、支払う必要はないのです。また、一般的に行われる購入希望者の現地案内費用など、通常の仲介業務で発生する費用を依頼者に請求することもできません。ただし、遠隔地への旅費など、依頼者が特別に依頼することで発生した「実費」については、請求することが認められています。それら以外については、請求があったとしても毅然とした態度で断るようにしましょう。もちろん、そうした不動産会社との媒介契約は、確実に終了させたほうがよいでしょう。

土地の賃借権であるという当事者の意思が必要!

土地の賃借権(レンタカーの車両置き場)であるが、テナントから営業所・連絡事務所的な使用に供するため、
簡易の建物を建てたいとの申し出があった。当該建物が存在することによって借地借家法の適用がある借地関係になっても問題ないか。
借地関係は建物所有目的の土地賃貸借につき成立する。したがって、本件では、建物所有目的ではなく、
当該建物は土地の使用に付随して必要な最低限度の施設であるという位置づけにすれば、借地関係とならないと考えます。
契約書にもその旨を明記し、あくまでも民法上の土地賃借権とすることが当事者間の意思であることを明確にすることが望ましいい。

借主が法人である場合に入居者の印鑑証明を受領しなくても問題ないか

建物賃貸借契約の借主が法人であり、当該法人の社員が社宅として居住する場合において、当該契約の締結に事務代行会社が係る場合がある。この場合において、当該事務代行会社から「事務手続きが煩雑なので、居住者の印鑑登録証明書は徴収しない扱いにしてほしい」との申し入れがあった。問題ないか。
当該賃貸借契約の契約者は借主たる法人であることから、居住者の印鑑登録証明書は法律上は必ずしも必要なものではない。そのため、あくまでも居住者の印鑑登録証明書を徴収するか否かは貸主の判断である。

未成年契約における注意点

16歳の未成年を借主とする契約をすることになった。どのような点に気をつければよいか。
親権者(通常は両親)を代理人として契約すべきである。(親権者の同意を得る方法もあるが、それも書面で同意を得るべきであるから、代理人として契約する方が簡便である。)

貸主が風営法違反の容疑で逮捕された事実は重要事項説明・告知の必要はあるのか。

質問の事実は、宅建業法35条中には規定がなく、また賃貸借契約の目的たる建物に関する事項でもないことから、当該事実は説明・告知義務を負う事実はなく、借主から当該事実の有無に関心が示された場合以外は、借主に対し、重要事項説明・告知する必要はないと考える。

地方自治体の条例を確認せずに媒介したことによる損害の責任は

古い木造3階建ての物件(店舗)の賃貸を媒介したが、現在の条例のもとでは3階部分は店舗として利用できないとの指摘が行政からなされた。媒介に際して条例まで確認しておらず、当該制約につき重要事項説明をしていなかった。この場合、媒介の立場に法的責任は生じるのか。
宅建業法35条以外の事由でも、あらかじめ店舗として利用することを前提で賃貸借を媒介する際には、当該目的に利用することにつき法律上の制約の有無があるかどうかを条例レベルまで含めて調査し説明する義務があるとする判例がある。したがって、本件についても法的な責任は発生しうる可能性が高いといわざるを得ない。

抵当権設定された建物の賃貸借契約における注意 (説明義務違反による競売)

抵当権が設定されている建物の賃貸借契約の仲介をした後に当該建物が競売に付されて、第三者が競落した。この場合において、仲介業者が当該賃貸借建物の仲介の際に当該建物に抵当権が設定されていることを説明していなかった場合、当該業者は損害賠償責任を負うのか。
「当該(中略)建物の上に存する登記された権利の種類及び内容並びに登記名義人(以下略)」は重要事項の説明事項である。(業法35条)。したがって、賃貸借契約時に抵当権実行の現実的可能性があった場合、当該借主に損害が生じたときには、当該業者は損害賠償責任を負う事となる。

賃貸物件を売却する際に注意すべき事 (借主の属性)

賃貸物件の売却に係る問題。買主は、借主が暴力団関係者ではないかと疑念をもっており、調べたところ、明確にそのような事実はないが、やや粗暴な行動をする人物であることが判明した。このような事情を売買時に買主に情報提供しなけらばならないか。情報提供しない場合、後から責任が問われることはあるか。
買主が物件購入の決定に係る重要な事実として借主の属性を挙げており、業者として知り得た情報がある以上、宅建業法47条に基づき情報提供すべきである。その上で、買主の判断にゆだねることになる。この点が不十分な場合、宅建業法47条違反や、それに基づく民事上の責任があったとして、訴訟リスクを抱えることになるので注意が必要である。

建物全戸を借りる場合の提出書類は各部屋に応じて用意すべきか

22戸ある建物につき、ある法人が全戸を借りうけることとなった。当該法人と賃貸借契約を締結する場合、当該法人の資格証明書(現在事項証明書)及び印鑑証明書を22通準備する必要はあるのか。
それぞれ1通あれば十分であり、法律的にも問題はない。