FAQ 賃貸管理トラブル集

ゴミ屋敷状態からの改善のない場合の更新拒絶は

物件がゴミ屋敷状態になっている。6ヶ月前から状況が改善しない限り契約継続は出来ない旨を伝えてあるが、現段階でもほとんど変わっていない。間もなく更新時期がくるが、契約終了させたい。どのような手法があるか。
まずはゴミ屋敷状態で、近隣への迷惑、物件への影響、そもそもの借主としての用法義務違反、善管義務違反ということで契約解除が考えられる。更新拒否も可能(正当事由あり)とも考えられる。

喫煙に対する居住者同士のトラブル

居住者間のトラブル。1階の借主の喫煙に対し2階借主が管理業者に対してどうにかしてほしいと苦情が持ちかけられた。1階の借主は場所や時間を決めて吸っているが、2階の借主は納得しない。どのように対処すべきか。
いまだ他の入居者への影響等がない以上、賃貸借契約の問題として貸主及び管理会社で何らかの法的手段をとる状況にない。状況を聞く限り、2階借主の受忍の限度の範囲であり、法的に2階借主の主張がとおることは困難であることを前提に、当事者間で話し合いをしてもらうしかないと考える。

深夜の騒音による近隣への迷惑

貸借契約の借主が夜中に大きな音で音楽を聴くなど近所迷惑が甚だしい。また、借主は一見して、精神状態が普通でない状態である。借主は現在仕事をしておらず生活は姉が支えているようだ。賃料支払いも遅れがちであるが、本件賃貸借契約には賃料の保証会社が付いているため、現在、未払い賃料はない。ただ、貸主としては今後、近所からクレームが入り、近所関係が悪化する事を恐れ。今般、本件賃貸借契約の契約更新時が近づいているのを機会として、その更新を拒絶し、借主には退去してもらいたいと考えている。
今後も近所からクレームが入る可能性が高く、借主に本物件を退去する方向で検討してもらうべきである。費用を考え、まず任意での退去を求めるべきであるが、借主本人が普通の精神状態でないことから借主本人との直接交渉は避けたいところである。そこで、借主の姉に相談すべきである。借りに、任意での退去が難しい場合、裁判を提起せざるを得ないが、この場合、裁判では本件賃貸借契約の更新拒絶に付いての正当事由の有無が判断される。そのため、借主が近所迷惑を撒き散らしている状態に付いての証拠を残しておくべきである。

県からの紹介による賃貸借契約後のトラブル

DVの被害者につき、県からの紹介などに基づき賃貸借契約を結んだが、その後もその借主の奇行が激しく、貸主側も困っている。県に相談しても明確な対応はしてくれない。どのようにすればよいか。
奇行が激しく近隣迷惑行為とされる場合には、契約解除も可能である。DV被害者に対する賃貸で注意すべき点は、加害者に対し被害者の居所を明かさないということであり、それ以外については一般の契約関係者と代わるところはない。県の担当者に事情を話し、公営住宅の斡旋等の手配をしてもらって契約終了に向けて対応することが考えられる。

ゴミ問題(入居者のマナー)

共益費で一定のゴミの回収費用を見込んでいたが、居住者のマナーが悪く、ゴミ処理に多額の費用がかかることになった。共益費の値上げを考えているが可能か。
共益費の構成要素のコストが増大するという実質的な根拠があり、そのことを借主に説明し、合意が得られれば増額は問題ない。ただし、増額の合意が出来ない場合には、そもそもコストが膨らむ原因を作ったマナー違反者を特定し、その者には増額分の負担を求める事を検討する。

騒音問題(法律の基準値)

木工所の経営者が、木工所の隣地に建てたアパートを賃貸している。最近、アパートの一室に入居した借主が、「木工所の音がうるさい」と貸主兼木工所の経営者にクレームをいれてきた。なお木工所は約15年ほどからあるがクレームは一切なかった。そこで貸主は借主に部屋を移ることを提案したが、借主は「現在の部屋が気に入っているからいやだ」といって拒否しつつ「木工所の騒音は法律が規制する値をこえていると思うから役所に処分をもとめる」などと言い出した。借りに法律の基準値を超えている場合は役所が木工所に処分を下すことはあるのか。
当該地域の音に関する規制は及び規制を超える音を出した場合の処分については、地方自治体の条例で決めていることから、この点につき、まず、当該地域の地方自治体の担当部署に問い合わせて確認する。仮に、その音が、法律で規制する値を超えていた場合、通常は、地方自治体から事実確認の連絡、法律の規制を超える音を出すのを中止する事をもとめる要請戸の連絡があり、その要請に木工所が応じない場合には処分されることがあると思う。

建物から盗聴器

一戸建ての賃貸借契約の仲介をしたところ、当該建物から盗聴器が発見された。①借主から貸主に対して「建物を替えてほしい」との申し入れがあったが応じないといけないか。また②貸主ないし仲介業者に何らかの法的責任は生じるのか。
①について、建物から盗聴器が発見されたからといって、賃貸の目的たる建物を替えなければならいない法律上の義務はない。無論、貸主が任意に応じることは可能である。②について、貸主にも仲介業者にも賃貸の目的たる建物に盗聴器が仕掛けられていないかを調査・確認する法律上の義務はない。したがって盗聴器がしかけられている事を知り得る状況にあった等の特段の事情がない限り、貸主ないし仲介業者には法的責任はないと思われる。

共用部分や敷地に放尿する入居者がいる。契約を解除できるか。

借主は専有部分に限らず、共用部分や敷地に於いても、借主としての善管注意義務に従って利用すべき義務と責任があり、放尿行為はそれに違反するものであるから、解除は可能である。ただし、放尿行為の事実の有無につき争いが生じる恐れがあるので、その証拠をしっかりと押さえておくことが大切である。

不法駐車に対する対応

駐輪場のないマンションに、不法にバイクが止まっている。持主は不明である。撤去を求めるため張り紙等をすることは可能か。
不法に敷地内を占拠しており、かつ持主が不明である以上警告の為の張り紙等はやむえない処置として可能と考える。ただし、容易に剥がせないような貼り方をすると、器物破損罪ともいわれかねないので、貼り方には注意する。