FAQ 賃貸管理トラブル集

定期借家契約中の賃料増額請求

定期借家契約の場合にも、貸主は借主に対し賃料増額請求をすることはできますか。
特約で別に賃料改定ルールを決めていなければ可能です。

中途解約の違約金の額の上限とは

定期借家契約で契約期間を10年として、中途解約の場合、2年分の賃料相当の違約金をとることは可能ですか。
裁判事例で普通借家につき、中途解約の違約金を1年分だけ認めた事例もありますが、居住用で2年は借主に不利な特約として消費者契約法に照らし問題とされる可能性があります。

定期借家契約の期間満了の通知について

定期借家契約の期間満了の事前通知を、期間満了前の「1年から2年前」とすることは可能ですか。
借地借家法38条4項にもとづいてできません。

再契約を前提とした賃貸募集等は有効!?

定期借家契約で、あらかじめ再契約をできることで賃貸物件の広告をし、契約書にも明記しておくことは可能か。
いかなる場合も当然に再契約ができるという内容であれば、ケースによっては普通賃貸借とみなされてしまいます。
従って、再契約があり得るという表現にとどめて、借主の誤認を招かないようにしなければならない。
不明確な契約書の作成は避け、そして条文にも「更新料」のような更新を前提とする文言は使用してはいけません。

普通借家契約期間

借主は、契約期間を3年としたいとしているが、高齢のため、貸主は契約期間1年の普通借家契約でと考えている。合意がなされれば、契約期間1年という定めは可能なのか。
普通借家契約は、契約期間の最短は1年であるので、1年の契約期間を定めることは問題ない。ただし、借主側の要望と期間1年という更新前提の場合とで借主側の負担が異なる場合(例えば更新料の扱い)には、十分な説明と合意がないと、消費者契約法上の問題とされかねないので注意が必要である。

自殺による損害賠償の請求

6年以上居住していた借主がユニットバスの中で練炭自殺をした。貸主は、当該借主の相談人に対し、①風呂釜の交換費用、②お祓い費用、③フローリングの補修費用、④その他の損害賠償の請求をすることはできるか。
①については、請求できたとしても交換費用の1割程度と思われる。②については法律的には、ユニットバスにおける自殺とお祓い費用との間に因果関係が認められることは困難であろう。③については「ユニットバスの中での練炭自殺」とフローリングの補修に関連性が認められるか疑問であることから著しく困難であると思われる。④については、賃料を低減せざるを得ない事についての損害請求することが出来る場合がある。

シロアリ被害の責任

シロアリにより建物の基礎部分の被害が発生した。借主が窓を開放し続けることから侵入し繁殖したとも考えられる。この場合、補修費用等は誰が負担すべきか。
シロアリ被害の原因が100%借主の不注意によるものと立証できる場合には借主の負担となるが、その立証は困難である。まどの開閉についても、住居として使用する以上、窓の開閉があることは通常の使用方法であり、直ちに過失と認められるわけではない。したがって、建物の主要構造部分であることも考えれば基本的には貸主が負担する事とし、借主側に何らかの落ち度があれば応分の負担を求めるという形で協議していくべきではないかと考える。

室内で病死後2ヶ月は金銭給付を請求できるのか

借主が病死し、死後2ヶ月くらいで発見された。自殺ではないし、すでに20年住んでいて、原状回復費用としては既に消却済で価値はほとんどない。この場合、親族に対して、一定の金銭給付を請求できるのか。
心理的瑕疵の問題は、自殺だから認められて、病死であれば認められないという紋切り型ではなく、その事情が次の借主にとって心理的に嫌悪感を生じさせるものであるかどうかの具体的な事情の有無で判断される。病死であっても死後一定の期間後に発見された場合については、状況により原状回復等工事の遅れ、空室期間の長期化などの特段の事情がある場合には、当該空室期間の補填的な意味合いで、金銭給付を請求する事も可能であろう。

借主の自己破産開始手続きの通知が届いた場合

事業用建物賃貸借契約を締結している借主(法人)の代理弁護士名義で借主が自己破産開始手続きの申し立てをすることになったとの通知が届いた。貸主はいかなる措置を講じるべきか。
早々に当該弁護士に連絡して、賃貸借契約の合意解約をし当該建物の原状回復をしてほしい旨の話をして、早期対処を求めるべきである。なお、破産手続開始決定前の未払い賃料については破産債権、破産手続き開始決定後明渡しまでの賃料及び賃料相当使用損害金については財団債権となる。