FAQ 賃貸管理トラブル集

更新料の授受と更新事務手数料を契約書に規定することは問題ないか

更新料について、その特約の有効性につき裁判で争われている現状があるが、その趣旨を明確にし、合理的金額を設定し、十分な説明のもとで特約することは否定されない。また、更新事務手数料は、借主の利益に資することを前提に、実費を基にした相当の報酬であれば、合意に基づき授受をすることも可能であろう。ただしこの合意は、借主と業者との間のものであることから、賃貸借契約で取り決めるのではく、別に借主と業者との間で当該支払いを合意しておくことが望ましい。

法定更新の際に更新料を授受することは可能か。(合意更新の際には授受されていた)

判例では法定更新であっても更新料授受の合意はそのまま効力を有するとして、更新料を認めたものもある。本件の場合、過去に合意更新があり、その際に更新料の支払いがなされていたことから、法定更新であっても更新料の趣旨は等しく通用し、借主もその支払いの必要性を認識していたとして支払い義務はあると解される可能性があるのではないか。

更新料返還請求

賃貸借契約につき、貸主Aと借主B(法人)で更新料についての判決を根拠に今まで貸主Aが借主Bより受領した更新料の返還請求がきたが、返還しなければならないか
判決は当該事件における貸主と借主との間の更新料約定を消費者契約法10条に基づいて無効としたものである。かつ、本件の借主Bは法人であり、法人には消費者契約法の適用はないことから、そもそも本件は当該判決の射程外である。したがって、当該判決のみを根拠にしているとすれば、貸主Aは借主Bに更新料を返還する必要はない。

社宅として法人との契約中、現在入居者がいない場合も更新拒否については6ヶ月の猶予は必要か

法律上は必要となるが、本件では借主である法人にとっても、入居者がいないのに家賃負担や借主としての義務が発生することを回避するメリットがあることから、契約終了を合意することも十分可能と考えられる。

借地上の建物の入居者の退去問題(相続)

借地人兼建物賃借人に相続が発生し、新借地人は建物契約を借地期間満了時に終了させたいと考えている。この場合、中途解約ないし更新拒否に正当事由は認められるか、立ち退き料はどの程度必要か。
普通借地契約の期間満了の場合、法定更新等があるため、借地契約の終了をもって建物賃借人に対抗する事はできない。したがって、正当事由は認めがたく、結局は立ち退き料や解決金による合意解約となるだろう。この場合の立ち退き料についても相場はないが、居住用で単身用の物件であれば、代替え物件も容易に見つかりうることから、初期費用を基本としつつ、当初契約期間中の賃料差額分相当を加算した程度を目安に協議していくことになるのではないか。

借地契約上、更新料を支払わないと契約更新できないか。

借地契約が更新されるかどうかは、地主側に正当理由があるかどうかが問題で、
更新料の支払いは問題ではない。更新料の規定は法律にもないので、借地人は支払いを拒否することもできる。
しかし、当初の契約書に、更新のつど更新料を支払うことが明記されておれば、
法外な金額や条件でない限り有効です。一般的には地価の3%~5%で多くても10%程度でしょう。

漏水調査依頼 (1世帯のみの問い合わせ)

合計24戸、築20年のマンションン賃貸管理をしている。その中の1戸の借主から「6月の水道料金が4月の水道料金と比べて20%も上昇。その原因として漏水の可能性がある。調査をしてほしい」との連絡が入った。なお「水道料金があがった」と連絡してきた借主は、この1戸のみであり、その家族構成は4人である。
漏水の調査には多額の費用がかかる。そこでまず、「水道料金が上がった」との連絡があったのが1戸のみであることを説明して、もう少し様子を見てもらう事に理解を求める。それでも「漏水の可能性がある」との場合、多額の費用をかけて漏水の調査をするまえに、マンションの住民に説明をして全戸の水道を一斉に止めて調査する(全戸の水道を一斉にとめても水道資料が認められている場合は漏水の可能性が高い)。そして、漏水の可能性が高いとの結論に達した場合には専門業者に依頼する。

老朽化した建物を賃貸している場合

築30年以上の一戸建て2戸の賃貸借契約の管理をしている。貸主は本件建物を7~8年前からレストランを営む会社に賃貸している。借主である会社は多額の日費用をかけて本件建物を改修し、古い民家のレトロな雰囲気での食事を売り物にして業績も好調のようである。しかし、本件建物は老朽化しており、素人が見ても耐震補強をしないと危険な建物である。どのように対処すべきか。
建物の所有者は工作責任を負うことから、本件建物の老朽化が原因で事故が起こった場合、本件建物の所有者件貸主は損害賠償責任を負う可能性がある。事故が発生した場合、本件建物の管理者であるものも善管注意義務に基づく損害賠償責任を負う場合があるといわざるを得ない。そこで、まず、早急に、本件建物の耐震診断をすべきである。そして、本件建物の改修ないし、建て替えが必要であるとの結果が出た場合は、本件建物の改修ないしは建て替えをしなければならない。しかし、借主にしてみれば、業績好調のレストランを改修の場合は一時的に閉店、建て替えの場合は閉店しなければならなくなることから、借主が本件建物の改修ないし建て替えを拒否することも予想される。この場合は、事故が起こった事に基づて発生した損害賠償責任の多くを借主の責に帰せしめることになる。とにかく、本件建物の所有者件貸主及び管理者としては、早急に、本件建物の耐震診断をして、その結果に基づき、補修ないし建て替えの判断をして、その判断結果を借主に示すことである。

土地の賃貸借契約における負担区分(壁と雑草)

土地所有者兼貸主は賃借人との間で土地、倉庫及び工場についての賃貸借契約を締結している。①倉庫ないし工場の外壁に問題が生じた場合の修繕費用は貸主・借主のどちらが負担すべきか。また②雑草の除去費用は貸主と借主のどちらが負担すべきか。
貸主は借主に対して、本物件を使用及び収益させる義務を負いかつ修繕義務を負う。したがって、①倉庫ないし工場の外壁に問題が生じた場合の修繕費用は賃貸人が負担しなければならない。(ただし、倉庫ないし工場の外壁に生じた問題が、借主の故意ないし過失に基づく場合は借主が負担する。)②雑草の生い茂る程度にもよるが、原則として雑草の除去費用も貸主が負担することになる。